もともと宗派的には、スンニ派とシーア派が五分五分の勢力図だったイエメンだけど、今回の暫定政権発足で、政治的にも真っ二つになった感じ。
- スンニ派を中心とする旧政権勢力(+後ろ盾はサウジアラビア)
- フシを中心とするシーア派勢力(+後ろ盾はイラン?)
これに、ISIS/ISILへの対抗意識を燃やすスンニ派過激派・AQAPという「不確定要素」の存在が加わって、なんともカオスな状態に突入した同国。更に先年来の原油市場の高騰演出を含めて、中東での主導権争いをやっているサウジとイランの思惑が乗ってくると、ヨルダン vs ISISが可愛く思えるくらいの、局地的だが苛烈な代理戦争が展開されそうで(/ω\)イヤンな予感。それとも、1990年代頭のイエメン内戦の再現勃発か?。どっちにしても碌な未来予想図じゃない。
ほんと、もうどうしようもないくらい混乱の極みの中東情勢。かの地に平和が訪れて、
現地のヲタが宗派を超え、皆で彼女らに熱狂しながらサイリウムを振りまくる情景を目にできるのは、まだまだ遠い先だな。
【カイロ=柳沢亨之】イエメン国営通信などによると、同国のイスラム教シーア派反政府勢力、フーシ部族は6日、国会を廃止し、「革命委員会」が今後2年間、統治権を握ると宣言した。
昨秋から攻勢を強めていたフーシによる事実上のクーデターで、政情の混乱は必至だ。同国はイスラム過激派の拠点で、米国の対テロ作戦などにも影響を与えるとみられる。
宣言は、首都サヌアの大統領宮殿で行われ、暫定憲法にあたる「憲法宣言」を制定したと発表した。憲法宣言では、「革命の代表」である革命委員会が、国会に代わる「暫定国民評議会」(定数551人)を設置すると規定。フーシ主導の革命委が最高権力を握る姿勢を鮮明にした。
フーシは昨年9月に首都を武力制圧し、1月には大統領宮殿を襲撃するなど攻撃を一気に激化。ハディ大統領は22日、辞表を国会に提出し、権力の空白状態が続いていた。
イエメンは、2009年の米旅客機爆破未遂や今年1月のフランス連続銃撃テロ事件への関与が疑われる、スンニ派の国際テロ組織「アラビア半島のアル・カーイダ」(AQAP)の拠点。AQAPとフーシは敵対するが、AQAPが混乱に乗じ、勢力を広げる恐れがある。
(2月7日 読売新聞)
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