各国の主張は実際「事実」ではあるんだが、ここまで言われっぱなしってのは近年記憶にない、ここ数日のロシアの劣勢。調律の利かない紛争って奴は、21世紀屈指の偉大なる皇帝陛下ですら、ここまで持て余すのな。
正直、今年の2-4月の頃と違って、この後の展開は全く読めない。マレーシア航空17便の撃墜劇を境に、ウクライナでの戦争は、米露欧州ウクライナ、その全ての関係者の調律を外れたステージに入ってしまったからだ。
この事実は、展開予測ができないという認識以上に、単純に怖い。上記の関係者全てが事態の流れに乗って、主体性を持たず、追随的に動いている現状が怖い。中でも恐ろしいのが、この事態の混迷を歓迎する輩が、確実に、一定数、それも世界中に存在していることだ。
人間社会で起こる事象の大半は、その目的の正邪に関係なく、需給関係の成立により発生する。赤ん坊用のミルクから、戦争で使われるミサイルまで。今、ウクライナは、その中でも最も厄介な需給関係が成立しかねない状況の渦中にある。当面の戦場はドネツゥク、そして再びクリミアに飛び火する可能性あり。雰囲気は非常に剣呑だ。20-30年前の冷戦時よりも。
(CNN) マレーシア航空機17便がウクライナ東部上空で撃墜されたとみられる事件で、原因究明のために現地入りした調査団が親ロシア派の妨害を受けるなどしており、各国から非難の声が上がっている。
米国務省のケリー長官はCNNの取材に対し、「酔っぱらった分離独立派が遺体を無造作にトラックに積み上げていて、現場の証拠保全を妨げている」と話した。
墜落現場は武装勢力の制圧地帯にあり、マレーシアの運輸相は、国際調査団が「実質的に現場への立ち入りを阻まれている」と苛立ちを示す。
キャメロン英首相はサンデー・タイムズ紙に寄せた論説で、同機の墜落とその後の事態について、「モスクワでつくられた暴挙」と断じている。
ウクライナのポロシェンコ大統領はツイッターで、「略奪の事実やテロリストによる遺体の扱いは道徳的限界を越えている」と非難した。
現地に監視団を派遣している欧州安保協力機構(OSCE)の広報によると、現地調査の状況は20日にはある程度改善の兆しも見られ、監視団は「墜落現場の各地でかなりの時間を費やすことができた」という。
それでも組織立った調査はできておらず、政府の緊急車両が現場に通じる道路への進入を阻まれたため、現場では徒歩で行き来しているという。
(7月21日 CNN)
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