モテ期と魅力と伸びしろと

 この数年、体を壊して、生死の境とまではいかないまでも、日常生活と闘病生活を行ったり来たりしている身になって、ふと気づいたことがある。

 モテなくなった。厳密に言うと、異性から「いい人」扱いされることは増えたが、「標的」にされることはめっきり減った。

 年取ったからかなー?病人になって遊べなくなったからかなー?所帯持ち臭さが増えたからかなー?と色々考えたが、ちょっと違う。

 思い当たるのは、体を壊したのと同時に、体力や思考力や持久力その他がピークを迎えたことが、自他ともにはっきりしてしまったことだ。つまり、雄としての伸びしろが無くなったということだ。

 伸びしろという潜在力は魅力であり、魅力はモテ期を呼ぶ。そう考えると、なんとなくシックリいく。多分、今の私のステージに至ってしまった人間は、既に完成された器を評価されて相応に扱われることはあっても、新しい恵みや旨みをもたらす獲物として狩られる対象としては、もう選ばれることはないのだろう。異性から。

 人には一生に数度、モテ期が来るという。モテ期とは多分、その人の人生・キャリアにおいて、潜在的な成長性や将来性がピークを迎えて、それらが漂わせる芳香が異性を呼び寄せる時期なのだろう。その芳香が漂う時期は、人それぞれの人生スケジュールに沿って規定されていて、誰一人として他者と同じものは無い。そして、人がそのことに気付くのは、往々にして手遅れになってしまってからなのだ。

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