ロシアのウクライナ侵略の落とし所は?な件について(2014/3/3)
戦争が終わり、支配が始まる ~ プーチン大統領@ロシア、クリミア半島の完全掌握を宣言(2014/3/4)
ソチ五輪が終わって以降の、驚異的な軍事行動スピードと比べると、外交戦ステージに入ってからのロシアの動きは、内容もスピードも想定内。というか常識の範囲内。さすがはプーチン。国際社会で無理ができる限界を良く分かっている。
そもそも今回の「ロシアによるウクライナ侵略」の本質は、単純な侵略戦争ではない。ソチ五輪まで続いていた、欧米、特に「ウクライナのロシアからの離反と、同国の天然ガス利権の獲得が目的な」米国主導の、「極右にして親欧米というキメラな傀儡政権を拵えるためのクーデター工作」に対する、プーチンからのカウンターパンチだ。
もちろん、プーチンの戦争は「ビジネス」だから、「カウンターパンチを喰らわせてやった!」で終わるわけが無い。きっちり、「リスクに見合うリターン」としてクリミアを手に入れた。ウクライナ東部の要衝も遠からず手に入れるだろう。ウクライナに対する工作活動と五輪カードと情報戦だけで、ロシアを掣肘しながらウクライナを自陣営に取り込めると考えていた欧米は、見事にしてやられた恰好だ。
今日のプーチンの演説と、過去の上記エントリーで予想した以上のサプライズは、本件ではもう起こらない。全ての関係者において、起こすメリットが無いから。これからの戦後処理で残っている難題と言えば、ウクライナという国を、どうやって「ロシアにくっつきたがっている東部&クリミア半島」と「ロシアとはもう手を握れないキエフを中心とした西部&中央部」とに円満離婚させるかだけ。
「…あれ?戦争よりも超難しくね?。円満離婚って」
それはさておき。
万が一だが、この離婚協議を拗れさせると、損をするのはロシアでも、欧米でもなく、キエフの跳ねっ返り連中だ。5月の大統領選後を考えれば、そろそろ、身の振り方も考えるべきじゃないのかい。彼らも。「米国の手先なネオナチ」なんて生き方は、もう流行らんぜ。
最後に、今回のウクライナの自滅は、日本にとっての教訓だということを、我々日本人は認識しなくてはならない。「喧嘩は勝てる時になってから売る。それまではファイティングポーズ以上のアクションは無用」。鉄則だよ。外交の。最近、そこら辺の前のめりが過ぎる安倍政権のお歴々には、猛省を期待する。
ウクライナのクリミアでロシアへの編入が承認された住民投票の結果を受けて、プーチン大統領は、クリミア併合にむけた条約を締結する考えを示した。欧米の反発はさらに強まるとみられる。
ロシアへの編入が承認された住民投票の結果を受けて、クリミアの議会は17日、主権国家としてウクライナから独立する決議を採択した。これを受けてプーチン大統領はクリミアを独立国家として認めた上で、クリミアをロシアの一部として併合するための「二国間条約」を結ぶことを表明した。プーチン大統領は日本時間18日夜、演説を行い、クリミア併合をめぐる考えなどを説明するとみられる。また、クリミア議会によると、クリミアのアクショーノフ首相はすでにモスクワ入りしており、早ければ18日にもロシアとクリミアの間で併合に関する条約が結ばれる可能性がある。
一方、これより前、アメリカのオバマ大統領は会見し、ロシアへの制裁を発表した。制裁は、プーチン大統領の補佐官ら側近やウクライナのヤヌコビッチ前大統領らを含む11人が対象で、アメリカにある個人資産を凍結し、渡航を禁止した。プーチン大統領がクリミアの併合を容認したことで欧米はロシアへの制裁をさらに強めるとみられ、国際社会でのロシアの孤立は避けられない情勢。
(3月18日 日本テレビ)
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