妖怪が亡霊と争うことになったのなら、人間としては共倒れを願うのみ。
お笑いの総合笑社、吉本興業で9日、笑えない“お家騒動”が起きた。同社は、2005年に死去した前会長の妻で、創業家当主の林マサさん(63)が週刊新潮に発表した告発手記について法的手段も検討していると発表。手記では、所属タレントの中田カウス(57)が指定暴力団との交際を背景に吉本興業の経営に影響を及ぼしたなどとしており、今後は現経営陣と株式の10%以上を保有する創業家が、法廷で対決する可能性がある。
吉本興業はマサさんの告発手記として掲載された「週刊新潮」の記事内容を問題視。吉本は告発手記に対し「(カウスに)書かれているような暴力団との交際はなく、交際を背景に弊社に不当な影響を及ぼした事実もありません」とし、現経営陣への名誉棄損で民事、刑事両面で提訴、告発する方向で調整に入っている。
カウスも、9日発売の「週刊現代」で「(暴力団の)威光を利用しようとしたのは、僕ではなくマサさん」などと反論。マサさんの息子は吉本の社員だが、騒動が起きてからは出社しておらず、吉本側と創業家側は全面対決の様相を呈している。また、副社長がマサさんの依頼を受けたとされる元暴力団員から“脅迫”された事件についても、告発の準備をしているという。
一方、マサさんの代理人は「手記の事実関係には百パーセント自信を持っている」と強調。「週刊新潮」編集部も「今週号に“中田カウスの『ウソ』と吉本興業が隠す『巨額使途不明金』”という記事を掲載します」と予告し、徹底抗戦のスタンスをとっている。
騒動は各方面に飛び火を始めた。吉本は「『ファンをお騒がせした』とカウス自身から申し出があった」とし、2004年から務めてきた特別顧問をカウスが退任することも発表した。
また、この日は、カウスがレギュラー出演する予定だった関西テレビの新番組「フジヤマ☆スタア」の初回収録が行われたが「『一連の報道にショックを受けており、新番組に専念できる状況ではない』と吉本から連絡があった」(同局)とカウスは出演を見合わせた。
(4月10日 デイリースポーツ)
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