モンテネグロが独立宣言=約90年ぶり、旧ユーゴ完全消滅

 【ウィーン3日時事】セルビア・モンテネグロのモンテネグロ共和国議会は3日夜(日本時間4日朝)、先月21日の住民投票で独立が承認されたのを受け、国家の独立を宣言した。独立の回復は1918年に旧ユーゴスラビア連邦の前身である王国の一部となって以来約90年ぶり。これにより、2003年に誕生したセルビア共和国との緩やかな国家連合は解消され、6つの共和国で構成された旧ユーゴが完全に消滅することが決まった。

(時事通信) – 6月4日

セルビア人とクロアチア人の民族間的軋轢とそれに起因する様々な矛盾を内包しながら成立した国家。その構成要素の複雑さから「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字により構成される1つの国」と揶揄され、連邦解体の過程でその各々の要素がパッチワークのように絡み合い、泥沼の紛争を演出し続けた悲劇の舞台。その悲劇の主人公の一人・ミロシェビッチ元大統領の死に続き、昨日その最後の残滓が姿を消しました。

しかし、ユーゴの抱えていた「矛盾(特に民族対立)」は今も世界の各所で散見することができます。ユーゴスラビア連邦の最後がそれらの「事例の一つ」なのか、それとも「例外的な悲劇」なのか。それを決めるのは、今の「矛盾」当事者達です。

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