数学者、藤原正彦さん著の「国家の品格」(新潮新書)が、11日の増刷で計202万部となり、昨年11月の刊行から190日で200万部を突破した。新書の最高部数を記録する解剖学者、養老孟司さんの「バカの壁」(同)より58日早い。新潮社宣伝部は「市場原理を最優先する風潮に警告を発して拝金主義を否定し、多くの日本人の思いを代弁してくれたのが支持されたのだと思う」と話している。
(毎日新聞) – 5月11日
さくっと読む限り、特に目新しい部分・主張は見当たらない本作。ぶっちゃけ扱っているテーマの割りに中身は軽い(てか、かなり論理矛盾や事実誤認が多い)。
にもかかわらずこうも売れるってのは、中身というより本作のような守旧的・復古回帰的主張が歓迎される「風潮」が世間に強まっている証拠なんでしょうね。それが武士道精神のような日本人特有の価値観・美学の再評価なのか、単に表層的な右翼思想の拡がりなのか、ライブドア事件を発端にする合理主義・拝金主義への反動なのかは分かりませんけれど。
- 作者: 藤原正彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/20
- メディア: 新書
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