USEN宇野社長、楽天の社外取締役を辞任

USEN宇野社長、楽天の社外取締役を辞任

 楽天は20日、同社の社外取締役を務めるUSENの宇野康秀社長から辞任届を受理し、20日付で辞任したと発表した。辞任の理由については「一身上の都合」と説明している。

 楽天とUSENは、2001年にコンテンツ配信会社「ショウタイム」を共同で設立。2003年にはUSENのショッピングサイト「ネットプライスモール」を楽天に移管するなど、両社間の事業協力を進めてきた。USENは16日、フジテレビが保有するライブドアの全株式を宇野社長が取得し、ライブドアと業務提携を行なう契約を締結したと発表している。

(impress Watch 3/20)

 外科手術の時が遅くなりすぎてボロボロのライブドア(というより同社の事業と従業員・関係者)も、彼になら任せられるかもしれません。

 宇野氏とは、彼がインテリジェンスの代表職を務めていた時期に何度かMTGの場を持ったことがあります。ちなみに第一印象は、「うわ!いかにも遊び人(実際大学時代は名うての遊び人)だー!」でした。今でもイケ面社長振りをを発揮してますが、90年代末のころはそりゃもうブイブイいわしているスメルがぷんぷんしてましたね。色も黒かったし(笑)。でも話をしてみると、大変頭が良い人であることが分かりました。

 人材サービス業としては後発ながら、企業の採用広告業務をとっかかりに企業の採用関係トップを押さえ、トップダウン方式で顧客先の人材派遣その他の周辺案件に投網をかける営業戦略は今でこそ珍しくありませんが、当時宇野氏はそれをほとんど一人で構築してやってのけてました。一方で独りよがりになることも無く人を育てるのも上手。今の鎌田社長やサイバーエージェントの藤田氏の辣腕ぶり(?)も彼の薫陶の賜物と言えるでしょう。

 しかし、宇野氏のパーソナリティで一番好きなのは「筋を通すこと」(のまネコ騒動の時は少し残念でしたが)。違法工事大王の先代:宇野元忠氏の後を継がされた時も、まずやったのがその負の遺産を合法化するための電柱使用料支払。もともと、宇野氏は親の会社の寄生虫になりたくないから独立したわけで、それを公言もしているんです。それが、倒れた元忠パパの意向とは言え、無能なお兄ちゃんを押しのけて大阪有線(当時)の社長に就き、違法工事の実行犯の人間が大勢を占めている社内に対して「違法はNO!」と言ってのけたのには正直びっくりしました。その後、USENはM&Aを色々仕掛けますが、これがみんなUSENのグループ戦略の観点から観ると基幹事業の(相互)補完という一点で非常に筋道立ったものであり、かつそれを軸にネゴしているせいか、買収先関係者からの反感も最小限に抑えられています。これは凄い。

 ぶっちゃけた話、USENという会社自身については、その成り立ちとそれに伴う宿り木・反社会勢力連中の存在から、全くと言っていいほど信用してません。しかし、宇野氏いや「千氏」に対しては、今回のライブドア株取得から楽天の社外取締役を辞任に至る一連の行動一つとっても、信用できる人間だと思っています。会社と経営者間の価値観ギャップのせいか、はたまた真っ正直すぎる先行投資の負担のせいか最近のUSENの業績はパッとしませんが、宇野氏には是非とも諸しがらみを乗り越えて「内外」の組織改革に突き進んで欲しいものです。

 

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