「キュウべえ=QB=インキュベーター=孵化器=魔法少女を魔女に転生させかつその上位にある者」か。なるほどな。キュウべえ@CV加藤英美里女史が、魔女を養殖するためにその母体としての魔法少女をスカウトしているってのは十分予測できたけど、QBの名前にそんな意味が盛り込まれていたり、使い魔であるQB自身ですら「代替の効く端末」に過ぎないって展開は、想像の斜め上。基本的な流れは視聴者の予想通りなのに、その予想を上回るネタを提示してくるとは、やはり侮りがたい作品だと実感した次第です>今回の「魔法少女まどか★マギカ」。
美樹さやか嬢@CV喜多村英梨女史、遂に魔女へと転生。自暴自棄な魔女狩り、親友や同僚に対する頑なな拒絶と人間不信、最後は自分の信じる正義すら守れなかった絶望(多分、あのホスト2人を「自分のやり場の無い恨みと八つ当たりで」殺した)の末に。彼女は鋭い子だったが、現実の世界を知らな過ぎた。彼女は優しい子だったが、自分の想いに頑な過ぎた。彼女は賢い子だったが、自分たちの未来や可能性に無邪気過ぎた。作品世界上、彼女は滅びるしかなかったが、なんともやるせない結末に悄然。例え、最終話で彼女の復活イベントがあったとしても、この気持ちの落ち込みは癒されないだろうな。
鹿目まどか嬢@CV悠木碧女史があの時、雨の中走り去る彼女を追いかけてさえいれば、佐倉杏子嬢@野中藍女史が電車に乗る前の彼女を見つけてさえいれば、暁美ほむら嬢@CV斎藤千和女史がもっと早く彼女にカミングアウトさえしていれば(あれ?)、さやか嬢はもう少し長く魔法少女でいられたかも知れない。それが彼女にとって望ましい延命であったとはとても言えないけれど。いずれにしても全てが半歩手遅れだった。「自分がやってきた『他人のため』の戦いとは実のところ自己愛&利己的な自慰行為に過ぎなかった」という真実に彼女が気付いた瞬間には、全てが手遅れ。この手遅れ感が、上記の悄然とした気分に更なる追い打ちをかける。あと4話。本作で何が起きるのか絶対に見たくもあり、正直見たくもなし。
話題を変えよう。
遂にほむほむがデレましたな!。いい。実にいい。青い子に「まどか嬢萌え」カミングアウトシーンした時もたいがいだったけど、やっぱツンドラガチ百合ッ子が、想い人を前にして心と膝が折れる瞬間は甘美でいいわあ☆。おまけに、その人を追いきれずそのまま戦意喪失かと思いきや、QB MK-IIIと対峙した時はまた戦闘マシーンとして立ち直ってるし、そのギャップが更に萌え。魔力の消耗を防ぐためか、スタングレネードや自動拳銃を隠し持っているなんていうマジカル真面狩るな設定にも、思わずナニがイキリタツ。ついでだから、AパートでQB、Bパートでさやか嬢にもくれたその蔑み視線を、神楽にもくれ。いや、下さい。
赤い子もどんどんイイ子に。次回退場なのは十中八九確定だろうけど、せめてさやか嬢と赤い子本人の救いに繋がるラストになるといいな。それにしても、初登場時がアレだったのに、今じゃ本作最高の「良心」のあんこタン。人間とアニメキャラはどう変わるか分かりません。
最後に、まどか嬢について。QBの勧誘トークがブラフじゃないとすれば、(QBやその上位者の真意は別として)やはり彼女が魔法少女になり、かつ梨花ちゃま@ひぐらしほむほむが知る世界のまどか嬢を超越した判断と結果を、第1話のあのシーンでもたらすことでしか、今の作品世界は救えないと言うことですかね。まさに「うちゅうのほうそくがみだれる」てな感じで。ある意味ペテン的だけど、その位のちゃぶ台返しでしかこの世界は救えないし、ぶっちゃけ視聴者も、それ位のちゃぶ台返しをやってもらわないと、最終話で十分なカタルシスは得られまい。だって今のままじゃ、どの攻略ルートを選んでもBAD ENDしか待っていない無理ゲーなんだもん。
さて、次回でさやか嬢の末路を知ったまどか嬢は、またうろたえるだけなのか、それとも「魔法少女の運命を乗り越える存在」「最善の上の更に上位たる判断を下す主人公」として脱皮するのか。赤い子の最後と共にピンクの子のそこらへんの変化に注目です。
(2/27追記)
本作の魔法少女の在り様について、今回破滅したさやか嬢及び「失敗の先輩」杏子嬢を主対象とした興味深い考察を発見したのでご紹介。特にラスト2行には納得。なるほどなー。
少女たちは何を間違えたのか。(消毒しましょ!)
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それにしても、チョイ役で出てきた外道ホスト2人に飛田展男氏と三木眞一郎氏をあてるとはなー。なんという無駄に贅沢なキャスティング(笑)。
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