【3/27の株主総会では】大塚家具の父娘喧嘩、委任状争奪戦は依然流動的【本質的に何も変わらない】

大塚家具のお家騒動がどんどん面白くなってる件について(2015/3/3)

 世にも奇妙なプロキシファイトの可能性に煽られた投資家が、大塚家具株を爆騰&暴落させるわ、当初状況不利とみられていた勝久会長が幹部連中に踏み絵踏ませて、8割がた面従腹背屈服させるわ、そして今日は長男専務が会長側に立って長女社長に宣戦布告するわと、ここ1-2日で急速に面白さを増している、大塚家具のお家騒動。

 その後の3週間弱で、「困った父さん」大塚勝久会長は、社内の子飼い重役・管理職陣と業界団体・家具経済同友会からの支持を固めた。「がんこ娘」大塚久美子社長は、大塚一族の資産管理会社以外に、大株主である米ファンドのブランデス・インベストメント・パートナーズと、投資助言会社のISSやグラス・ルイスを取り込んだ。

 議決権ベースのプロキシファイトだけなら、「ききょう企画」やブランデスだけじゃなく、日本生命や東京海上日動などの金融機関系が揃って支持に回る見込みの久美子社長陣営が数歩リード。でも、勝った後、社内と業界を上手く動かせる見込みのない久美子社長だからなあ。サラリーマン機関投資家は最終判断に困っているところだろうね。

 ぶっちゃけ、社長陣営は一見有利そうな布陣だが、不利となればすぐに手の平を返す連中ばかりだよな。ブランデスなんて社長支持を口にしながら、持ち株の半分以上を売却済みだし。

 こういう時、最後は神輿の政治力。そういう点で、久美子社長は勝久会長の足元に及ばない。さて、これからの1週間、情勢はどっちに転ぶかねえ。

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 ただ、どっちに転んでも大塚家具は長くない。勝久会長の昔ながらの高付加価値路線な経営方針は時代遅れで、久美子社長の「IKEAやニトリもどき」狙いのカジュアル路線戦略は既に手遅れだよ。3/27は、勝久会長と久美子社長のどちらが勝つか以上にそのこと、大塚家具の限界がハッキリするだろう。大塚一族や金融機関連中以外の「普通の投資家」は、真面目に逃げ時を検討するタイミングだと思うな。

委任状争奪戦、負けても「復帰めざす」 大塚家具会長

 大塚家具の大塚勝久会長(71)は21日、長女の久美子社長(47)と互いの退任を求めている株主総会での委任状争奪戦について、「負けるとは思っていないが、1度や2度で終わる気はない」と話した。今回の結果にかかわらず、社長復帰をめざすという。

 朝日新聞のインタビューに答えた。株主総会は27日。勝久氏は、久美子氏によって社長職の兼任を1月に解かれ、取締役からの退任も求められているが、「私が邪魔な理由は何かありますか。経営も失敗していない」と主張した。「久美子は何でも私に反対。今も反抗期だ」とも話した。

 また、来店客に名前と住所を書いてもらい接客する「会員制」を、久美子氏が「抵抗を感じる客が多い」と指摘していることには「会員制はすでに緩めている。私を批判するためのこじつけだ」と反論した。

(3月21日 朝日新聞)

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