あるいは頼清徳か、まさかの陳菊か。誰が選ばれても面白そうだが、それはさておき。半年前に蔡英文が民進党主席に就いた時は、呉越同舟の同党をどうやって治めるかと見ていたが、なかなかどうして大したもんだ。馬英九政権の失政と国民党の内ゲバという「敵失」があったとは言え、ここまでの圧勝に持ち込むとはな。
今回の結果を受けて、台湾がいきなり対中戦略を切り替えるとは思えんが、立法院の選挙を引き起こした「サービス貿易協定」のような媚中政策を、馬政権は採りにくくなるだろう。まして、香港の「雨傘運動」を見た台湾の国民が、中国に吸収された後、自分たちがどう扱われかねないかを想像すれば、今以上に台湾国内の対中感情が良くなることはありえない。
「望ましい流れじゃないか」
外国政策では、とかく「どっちつかず」だったり「無駄に暴走して顰蹙を買ったり」でフラフラしがちな民進党だが、2016年の総統選ではキッチリ旗色を鮮明にするだろう。その意味でも今回の選挙結果は、実に望ましい。同党は、今の追い風を無駄にしないことだ。
台湾・統一地方選、国民党「惨敗・落盤」状態・・・最大の焦点「台北市長選」も落とす、首相は責任取り辞任を表明
台湾で29日に行われた統一地方選で、与党国民党の「惨敗」が確定しつつある。台湾の一部メディアは国民党が同選挙で「崩落」、「落盤」などと表現しはじめた。最大の焦点とされた首都・台北市長選も、民進党系の無所属候補が勝利宣言した。
現地時間午後6時までに、市長/県長選が実施された15地域のうち、澎湖県でまず、国民党候補の落選が確定した。台北、基隆、台中、彰化の各市でも国民党候補の票は大きく出遅れており、「陥落」が確実視されるようになった。
最大の焦点とされていた台北市長選では、無所属の柯文哲候補が現地時間午後8時(日本時間午後9時)までに、勝利宣言をした。
桃園市、嘉義市、金門県でも国民党系候補は差をつけられている。国民党系候補は選挙前まで当選が確実視されていた新北市と桃園市でも、相当な苦戦を強いられている。これまでのところ、国民党系候補は基隆、台中、彰化では大きな差をつけられている。
新北、苗栗、南投、台東、連江の各県と市では「当選の可能性が高い」とされている。新竹県と新竹市では「当選の可能性あり」、桃園市では「逆転の可能性もある」と評されている。
29日実施の台湾の統一地方選挙は、9種の選挙が同時に行われたため「九合一」と呼ばれている。台湾の地方選挙としては過去最大規模で、投票率は70%近くに達したとみられている。
国民党に所属する江宜樺行政院長(首相)は選挙結果の責任を取り、辞任すると表明した。(編集担当:如月隼人)
(11月29日 サーチナ)
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