【兵糧攻め終了】ロシアがウクライナへのガス供給を再開【言質も取った】

ウクライナが未払い金を支払い、ロシアが冬季に必要なガスを供給することで合意したとみられる。

ポロシェンコ氏が16日に署名した、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域に「特別な地位」を認める法律についても、プーチン氏は「理想的ではないが、正しい方向だ」と評価した。

 「ガス」と「ウクライナ東部利権」。この2課題に関する一定の成果を得たことで、プーチンのビジネスはひとまず終了。マレーシア航空の撃墜事故で一旦守勢に回ったが、気が付いてみれば、最後はプーチン側のワンサイド・ゲーム。正味、8カ月の侵略戦争だったが、これからは後片付けのフェーズに移行。

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 結局、米国とEUはロシア、いや、プーチン相手に何もできなかった。イスラム国問題やエボラ危機に力を割かなくてはならなかったとは言え、これは彼らにとって悔やまれる「史実」となってしまったな。

露ウクライナ首脳会談:ガス供給再開で前進

 【ミラノ田中洋之】ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領は17日夕(日本時間18日未明)、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議の閉幕後、イタリア北部ミラノ市内のホテルで個別に会談した。両氏の会談はこの日だけで、欧州主要国首脳との円卓会議、独仏首脳を交えた4者協議に続いて3回目。ウクライナ情勢を巡る対立が続く中、異例ともいえる精力的な交渉でロシアからウクライナへのガス供給問題の解決に一定の前進をみせた。

 プーチン氏は会談後の会見で、ウクライナ側の代金未払いで停止しているガス供給の再開条件について、両国が合意したと発表。「前進を得た」と成果をアピールした。具体的な条件は明らかにしなかったが、ウクライナが未払い金を支払い、ロシアが冬季に必要なガスを供給することで合意したとみられる。

 プーチン氏はまた、円卓会議で合意したロシア・ウクライナ国境の無人機による監視に関して、ロシアが独仏伊と共同で参加する考えを表明、近日中にウィーンで専門家が協議することを明らかにした。ポロシェンコ氏が16日に署名した、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域に「特別な地位」を認める法律についても、プーチン氏は「理想的ではないが、正しい方向だ」と評価した。

 一方、ポロシェンコ氏は会談後、記者団に対し、ガス問題を巡り21日にベルリンで開かれるロシア、ウクライナ、欧州連合(EU)の3者協議で最終決着することに期待を表明した。

 ロシアはウクライナが約31億ドル(約3300億円)のガス料金を滞納しているとして、同国向けのガス供給を6月に停止。冬の到来を前に、ウクライナ経由のパイプラインでロシア産ガスを輸入している欧州諸国にも影響が及ぶ可能性が指摘されていた。

(10月18日 毎日新聞)

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