OPで野乃はな嬢@CV引坂理絵女史がハグプリ組を代表して宣言している、人は「何でもなれる!何でもできる!」。その無限の可能性の一つを、薬師寺さあや嬢@CV本泉莉奈女史が、自分の責任で自分の心に従い選択したお話。
彼女の背中を押したのは、これまで自身の背中の輝きでさあや嬢に道を示し続けてきた薬師寺れいら女史@CV岡本麻弥女史と、第35話ゲストの産婦人科医にして今回もさあや嬢の決断に道しるべを示した運命の人・マキ先生@CV知桐京子女史の二人の大人。
今回記録更新のダイガン部長@CV町田政則氏も「第三の大人」として、大きな影響を与えている可能性もあるけど、実際にさあや嬢の「背中を押した」と言うか「ぶん投げた(物理)」のはハグプリ組の他の面々だけど、それはちょっと横に置いといて、
まずは、「何故自分は女優をやっているのか」というシリーズ初期のさあや嬢の迷いを、第26・35話を経て、今回第44話の「女優である母の世界を共に見ることができた」「だからこそ医者という新しい目標を選べる」「その選択に後悔があろうとも、自分の心に正直にありたい」という結論に昇華させた、ハグプリスタッフに拍手。
正直、第44話単独で観ると、第32話と同様の異世界(VR)にれいらママンやマキ先生だけでなく、第7話に登場した芸能界のライバル・一条蘭世嬢@CV洲崎綾女史まで一緒くたに放り込むという序盤展開は、「?」の極み。しかし、蘭世嬢も絡んだ第26話も含めこれまでのエピソードで描いてきた、さあや嬢の成長の積み上げはその雑さを補って余りあった。15周年記念イベントのために計3話(第22・36・37話)を割いても、ここまで丁寧に描けるのが4クール作品の強みというべきか。それ以上にプリキュアスタッフの力量が、今の日本のエンターテイメント業界の中でも抜きん出ているということか。
Aパートは雑さと「まほプリ」ネタで遊びすぎィ!が際立った第44話も、Bパートは高速展開ながら実に良かった。特に、これまで娘の自主性に生き方を任せていたように見られていたれいらママンが、本心ではさあや嬢が自分と同じ道を歩んでいたことを喜んでいたこと、その喜びが娘によって絶たれたと感じて闇堕ちしたこと、その闇落ちした彼女を救ったのが親離れした娘からの感謝、娘の巣立ちを受け入れた自身の子離れの自覚だったこと。ここまで母子の関係に踏み込んだ描写は、多分他の女児向けアニメには無かった。少なくともこれまで代々神回が続いているプリキュアの母子回でも、ここまでは描き切っていない。
れいらママンの闇堕ちは、彼女の心の隙間につけ込んだリストルさん@CV三木眞一郎氏が、ジョージ・クライ@CV森田順平氏仕込みの「たらし」スキル持ちだった故の良展開だった可能性もあるけど、それもちょっと横においといて、
マキ先生だけでなく、薬師寺母子のステップアップを敏感に感じ取り、彼女たちのアドリブにカメラを止めなかった監督氏も含めて、子供の手本になる大人を描くプリキュアって、本当にいい作品ですね(結論)。
幼女先輩をはじめ小さなお友達に、第44話のメッセージが100%届いて欲しいと思う。現実的に考えてそれは難しいだろうけど。だからこそ、後日、そのメッセージを受け取れる年齢になったら、今回のハグプリからのメッセージを思い出して欲しい。私はそう思う。
<その他感想>
愛崎えみる嬢@CV田村奈央女史とルールーさん@CV田村ゆかり女史の、謎の「魔法つかいプリキュア!」押しプレイに面食らっていたら、モノホンの朝日奈みらい嬢こと高橋李依女史が速攻でツイート上に乱入してきて二度ビックリ。
前回ああいう別れ方しても、しこりを残さない輝木ほまれ嬢@CV小倉唯女史とハリー君@CV福島潤氏&野田順子女史。やはりハリほまは絶対的正義である。
医学の道を選んださあや嬢に対する蘭世嬢のエールを聞いて、「これって、小公女セーラ@ハウス世界名作劇場最終回のラビニアじゃん!」と思った大きなお友達挙手。
はぐたん@CV多田このみ女史を手押し車に乗せて登場したハリー君の姿を見て、「この元ネタが、子連れ狼だって理解できる幼女先輩っているのかよ!?」と思った大きなお友達挙手。
今回のEDカード、毎度のことながら一瞬の一枚にスタッフは凝り過ぎである。
だが、それがいい。とてもいい。
コメントを残す