ケマル・パシャが草葉の蔭で泣いているぞ>トルコ国民御一党。
【カイロ=村上大介】トルコのエルドアン首相は1日夜、同国の憲法裁判所が4月27日に国会で行われた大統領選挙の第1回投票を「無効」と判断したことを受けて、国会の解散・総選挙に踏み切る意向を表明した。首相は国民の直接投票による投票を導入するなどの憲法修正案を早急に議会に提案する考えも示した。
首相は記者会見で、イスラム系の与党「公正発展党」(AKP)の幹部と協議で、今年11月に予定されていた総選挙を6月24日か7月1日に前倒し実施することを決め、5月2日に国会に諮る意向を示した。
それとともに、大統領の任期や選挙方法などを大幅に改革する憲法修正案を早急に国会に提案し、できれば総選挙とともに直接投票による大統領選挙を実施したいとの考えを明らかにした。
首相が示した改革案は、(1)国会議員が投票する現在の大統領選挙の仕組みについて、国会での第1回投票で決まらない場合は国民の直接投票を実施する(2)7年1期の大統領任期を再選可能な5年(任期最長10年)に改める(3)5年に1回の総選挙を4年に1回とする-などの内容。フランス通信(AFP)によると、AKP幹部は、前倒し総選挙までに憲法修正が実現できなければ、総選挙と同時に修正案の是非を問う国民投票を実施したいとしている。
憲法裁は5月1日、AKPが大統領候補に擁立したギュル外相に対する4月27日の国会(定数550)での第1回投票が3分の2の定足数を満たさなかったとして「無効」を宣言した。
これに対し、AKPは3日に改めてギュル氏を候補として国会で再選挙を行うとしている。しかし、第1回投票の「無効」を憲法裁に訴えた最大野党の共和人民党(CHP)をはじめとする国会の世俗主義勢力は再選挙も同様にボイコットし、再び定足数に満たない可能性が高い。
トルコは、政治や社会から宗教的要素を排除する政教分離(世俗主義)を国是としており、世俗主義の守護者を自任するトルコ軍や世俗主義政党は、AKPが政教分離政策の緩和を狙っていると警戒。元イスラム主義者のギュル外相の大統領就任に強く抵抗している。
(5月2日 産経新聞)
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