日立造船のこのタイプのGPS海洋ブイが整備されたのは2005年頃。当時から「GPS波浪計の寿命は10年、バッテリーの寿命は5年」と言われていた。水素ガスの発生を促したのが、バッテリー自身の経年劣化か、ソーラー発電装置からの過充電か、それともその双方かはまだ分からない。しかし、今日の段階でバッテリーの寿命が尽きていたことは、想像に難くない。
いずれにせよ、本来なら人を殺傷するレベルまで水素ガスが溜まることはない。普通に外へ漏れるしね。沖合での長期使用という波浪計の用途上、バッテリーや観測装置周辺を密閉度の高い設計にしていたことが、今回は仇になったのだろう。加えて、季節柄、静電気が発生しやすいという状況も不運だった。
「想定していない小さな齟齬が命取りになることもあるわ」
日立造船は、今のうちに事故機と同タイプのGPS海洋ブイの残りを検査しておいた方がいい。おそらくどの機も、大なり小なり、今回と同様の「爆弾」を抱えている。
21日午後、和歌山市の岸壁で、波の高さなどを観測するブイの点検中に爆発が起き、作業をしていた1人が死亡し、1人が軽いけがをしました。警察などはバッテリーが、何らかの原因で爆発した可能性があると見て調べています。
21日午後2時45分ごろ、和歌山市西浜の岸壁で男性作業員2人が、波の高さなどを観測するブイの点検をしていたところ、突然爆発が起きました。
警察によりますと、2人はブイの製造会社の作業員で、このうち31歳の男性が全身にやけどを負って死亡し、もう1人の28歳の男性が軽いけがをしました。
調べによりますと、爆発が起きたのは直径が5メートル、高さが7メートル以上あるGPS波浪計と呼ばれるブイで、10年前から和歌山県白浜町の沖で使用されていましたが、去年12月に不具合が起きたため回収されて岸壁に保管されていました。
21日は点検作業のため、1人が金属で覆われた内部に入ろうとしたところ、爆発が起きたということです。警察などは中にあるバッテリーが、何らかの原因で爆発した可能性があると見て詳しい状況を調べています。
(2月21日 NHK)
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