どっちにしても、決定権と主導権はテロリスト側にある。ベルギー治安当局の対応は、彼らの選択の指向性に若干の影響を与えただけだ。
誰かと交渉するために破壊工作やってるわけじゃなく、破壊のための破壊行為をやっている連中相手に「どこどこの警備レベルを上げました」なんて会見、何の意味もない。そこに住んでいる一般人へのアピール、否、エクスキューズとして以外。
むしろ、苦虫を噛み潰しているんじゃないか。オランダ、ドイツ、そしてフランスのお偉方は。「お国の警戒レベルを上げてくれるのは結構。だが、あくまでもこっそりやれ。厄介者を俺たちに改めて押し付けるようなことを、わざわざ口にするな」と。
パリの同時多発テロを受けて、ベルギーのミシェル首相は21日、緊急の記者会見を開き、「極めて具体的なテロ情報があった」として、首都ブリュッセルのすべての地下鉄駅を閉鎖し、テロ警戒レベルを4段階の最高である4に引き上げたと発表した。
ミシェル氏は会見で「武器や爆発物を所持した複数の人物がテロ攻撃を行う可能性がある」と警戒を呼びかける一方で、市民に冷静な対応も求めた。ベルギー内務当局は、ブリュッセル首都圏の空港や鉄道駅、イベント、商業施設などにできるだけ行かないよう呼びかけた。
パリのテロでは、18日の銃撃戦で死亡した首謀者アブデルアミド・アバウド容疑者らがブリュッセル西部モランベーク地区出身だったことが分かっている。
他方、AFP通信によると、フランスの捜査当局は21日、パリ近郊サンドニの犯行グループ拠点を制圧した際に逮捕した8人のうち、関与が薄いとして7人を釈放した。
トルコのドアン通信は21日、テロに関与した疑いで、ベルギー人のアフメト・ダフマニ容疑者(26)をトルコ警察が逮捕したと報じた。事件の1週間前、パリで襲撃する場所の選定に関与したという。(ブリュッセル=玉川透、パリ=神田大介)。
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