ジダ中佐なんて、野党勢力や「自称」市民団体を操っていたルゲ退役大将の露払い人形に過ぎない。軍政移行への反対デモ経由の統一政府成立後、事態鎮静化のためと称して出てきたルゲがシレッと実権を握ったら、ジダ中佐はクーデター直後の責任を適当に取らされるんだろう。もっとも、忘れたころに国防相なりなんなりの要職につけてもらって、全て丸く収まるところまでは、関係者間で既に握り済みなんだろうけど。
一主権国家の政変劇としては、それでいい。別に問題は無い。「ブルキナファソ版・アラブの春だ!」とか歓声をあげていた一般市民の無邪気な期待なんて関係無く、権力者間で手打ちの話が済んでいたってのも、よくある話だしな。ただ、アフリカ全体、特に西アフリカの安全保障という点では、これで良かったんだろうかと考える。
前大統領暗殺の闇や長期政権の弊害を抱えながらではあったが、今回追放されたコンパオレ大統領は、良くも悪くも同地域の主要勢力全体に「睨み」がきく存在ではあった。ルゲなりジダなりに、その後釜はちゃんと務まるのか。このあたりの損得勘定、実利と建前のバランスについて、アフリカ連合の偉いさんたちはどう計算しているのかを、こっそりと聞いてみたいところなんだぜ。
軍幹部と野党指導者が会談=統一政府移行模索か-ブルキナファソ
【ワガドゥグAFP=時事】西アフリカ・ブルキナファソでの長期政権崩壊後、国家元首への就任を表明した大統領警護隊幹部のジダ中佐が2日、野党幹部らと会談した。会談後、軍は政権移行のための統一政府を設立するとの声明を発表した。
声明で軍側は「軍は権力に関心はなく、国家の利益が重要だ」と強調した上で、「移行政権は幅広い合意に基づき、必要な要素を全て取り入れて設立される」と述べている。
(11月3日 時事通信)
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