リチウムイオン二次電池で韓国が保護主義を始めた件について

リチウムイオン電池を組み込んだ電化製品などを韓国国内で販売する際、指定機関での認証を義務付ける新規制を韓国政府が導入。事実上、日本をはじめとする海外メーカーが韓国市場に参入する際の障壁的制度になる見込み。

＜韓国＞リチウムイオン電池に新規制　日本政府、懸念表明へ

韓国政府は７月１日から、リチウムイオン電池を組み込んだパソコンやデジタルカメラなどを韓国国内で販売する際、指定機関での認証を義務付ける新規制を導入する。二階俊博経済産業相は２２日の閣議後会見で「外国企業に対する貿易障壁となる恐れが十分ある」と述べ、今週開かれるＷＴＯ（世界貿易機関）のＴＢＴ（貿易の技術的障害）委員会で、日本政府として懸念を表明する考えを示した。

経産省によると、韓国が導入する新規制は、安全対策の強化を目的にリチウムイオン電池の温度変化による発火や過熱など６項目の試験を国内の４機関で実施するよう求めている。日本はより厳格な安全基準を定めており「規制の導入自体に問題はない」（経産省）としているが、認証機関が韓国内の４カ所に限定されるため、日本企業の手続きに時間を要し、事実上の参入障壁になる可能性がある。

認証制度をめぐっては、中国政府が来年５月からＩＴ（情報技術）セキュリティー製品への強制認証制度を導入する方針。各国が「製品の設計図など機密情報流出の恐れがあり、貿易障壁になる」と撤回を求めている。自国製品を優遇する保護主義的な動きの拡大が懸念されており、経産省はＷＴＯを通じて是正を要求していく考えだ。【柳原美砂子】

(6月22日毎日新聞)

三洋電機、パナソニック、ソニーという「リチウムイオン世界御三家」にしてみれば、もともと韓国の国内需要なんてたかが知れているんで、締め出されたところで業績的にあんまり影響はありません。LGその他の韓国メーカーの製品競争力が極端に高いわけじゃないし（米国の某コンペではA123に勝ってたけどね＆世界シェアも伸ばしているけどね）、露骨に身内びいきが過ぎるようなら、そこでデメリットを被るのは中期的には韓国のほう。

そもそも、日本のリチウムイオン二次電池メーカーにとってこれからの世界市場で怖い相手になるのは、韓国メーカーだけじゃなく、BYDやBAK、雷天のような「安かろうそれなりだろうでも供給能力は半端ねえ」中国メーカーもそうなんですよね。特にEVやHEV用電池の関連で。韓国メーカーがガラパゴス目指すのなら、それはそれで構わない。ですから、記事内にあるような理由もさることながら、ぶっちゃけ、

「このことだけに限れば、どーでもいいことじゃな」

エスカレートさえしなけりゃね。エスカレートしそうだから怖いんだけどね。