担ぐ側の都合が二分しただけのこと。残りの泡沫候補に漁夫の利掻っ攫われなけりゃいいんだけど、万一なコトが起きちゃったら、目も当てられないなあ。
立候補していた現職、伊藤一長氏(61)が射殺されるという異常事態となった長崎市長選。選挙戦は、新たに補充立候補した伊藤氏の娘婿で西日本新聞記者の横尾誠氏(40)と元市統計課長の田上富久氏(50)の2人による事実上の一騎打ちになっている。ともに投票日(22日)3日前に立候補し、「後継」を掲げるが、ほかに「世襲」も争点として浮上。自民、公明、民主の各党が自主投票を決め静観する中、両陣営による「伊藤票」の争奪戦が展開されている。
選挙戦最終日の21日。横尾氏は「(伊藤市長の)気持ちを受け継いでいきたい」と声を張り上げた。隣には喪服姿の伊藤市長の妻(61)。遺族が市長の遺影を胸の前に両手で掲げる。
横尾氏が会見で立候補を表明したのは、市長が亡くなった18日の午後。同日午前には市長後援会が擁立を決めた。県都の衆院長崎1区で民主の牙城を守る三菱重工業労組長船支部が中心となる連合長崎の支持も得た。
市長への同情票を背景に有利とみられていた横尾氏だが、頼みの労組も「市議選候補の応援で手いっぱい。人もカネもない」(労組関係者)のが実情。また、市民の間に「世襲」への疑問が少なからずあるのも陣営の懸念材料だ。
一方、田上氏は19日午後、立候補を届け出た。各党とも寝耳に水の状態。田上氏は「市職員としての弔い合戦」を掲げ、同時に、娘婿による“世襲”を批判。田上氏に同調する一部経済人が仲立ちした結果、長崎商工会議所の政治団体(商工連盟)は支援を決定。県選出の自民、民主の国会議員も水面下で支援に回っている。
身内として有権者の情に訴える候補と、「世襲」を批判する候補。スタンスの違いがどう有権者に評価されるかが鍵になりそうだ。【横田信行】
(4月21日 毎日新聞)
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