村上世彰氏が率いる投資ファンド(村上ファンド)の投資顧問会社「MACアセットマネジメント」が、投資顧問業の廃業届を財務省関東財務局に提出したことが13日、分かった。
村上氏が今年3月、全額出資した投資会社をシンガポールに新設し、MACのすべての資金をそこに移したことに伴う措置で、今後は日本の投資顧問業法による規制を受けなくなる。
日本で投資顧問業をする会社は、年1回の営業報告書の提出や証券取引等監視委員会による検査の受け入れなどが義務付けられているが、村上ファンドには今後、原則としてこうした義務がなくなる。
(共同通信) – 5月13日
これでめでたくカーライルやローンスターのような外資系ハゲタカファンドの末席に加わった訳ですね>村上ファンド。「おめでとう」「おめでとう」「国外逃亡おめでとう」。昨日までは少しくらい日本に未練を残していると思ってましたが、どっこい、やっぱり村上氏はスポンサーの忠実な丁稚だったということで。
にしても、金融庁が投資ファンドに対して一般事業会社と同様に短期売買を規制し、上場会社の10%以上の株式を保有したら財務局に報告するよう義務付ける方針を出した瞬間に、その手の規制ユルユルのシンガポールにトンズラですか。村上ファンドだけじゃなく、この手のファンドに関しては「投資ファンドの短期売買≒ブラックマネーのマネーロンダリング」との憶測を呼ぶようなケースがちょくちょくありますが、自分から「推定有罪」勝ち取ってりゃ世話無いですな。
ちなみに「外資系ハゲタカからの金でも金は金」と割り切って、出資を仰ごうとする経営者が今でもいますが、彼らには「およしなさい」と言いたいですね。連中は売り物としての企業には興味あるけど貴方方には興味ナッシングですから、マジョリティないし主要部門の権限持たれた瞬間に貴方方の生殺与奪は連中の手の中です。それでもいいと仰る方も居られるでしょうが、連中(特にC関係)は少しでも自分達に逆らえばその権限を行使するのに躊躇しませんので、それでもよろしければどうぞと。
もっとも、規制強化を歓迎していないのは日本の金融機関も同様ですけど。以前、野村証券資本市場研究所:大崎貞和氏の「世界的にも例のない厳しい開示ルールにしても誰も得をしないし、日本の資本市場のためにならない」という主張を聞いた時も、「ああ、この人も所詮は自分の属する組織の利益代弁者なんだなあ」とちょっとがっかりしましたっけ。
だって、大量保有開示の規制強化のデメリットをあげつらって、情報開示の全体的強化回避の方向に持っていこうってのが見え見えなんですもん。保有株式全体の情報開示で言えば、今だって欧米の方がめちゃ厳しいですのにね。この人の主張はたいがいアグリィなんですが、この件についてばかりはイタダけなかったなあ。
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