<不二家>ついに社長辞任「ペコちゃん」窮地に

 「倫理観が薄かった。事態は深刻だ」。大手菓子メーカー「不二家」が消費期限切れの牛乳を使用していた問題は15日、発覚からわずか5日で、藤井林太郎社長の辞任表明へと発展した。細菌に汚染され、回収しなければならない洋生菓子を繰り返し出荷していたことも明らかに。商品を撤去する大手スーパーやコンビニエンスストアも大幅に増え、「ペコちゃん」で親しまれてきた老舗は窮地に立った。【渡辺暖】

 ◇ズルズル会見は2時間40分

 「組織ぐるみと言われても仕方がない。上司の指示もあった。違反は頻発していた」。午後3時、東京・銀座の不二家本社で藤井社長らが会見に臨んだ。有名菓子メーカーの不祥事に対する関心の高さから、100人以上の記者が詰めかけた。会見は2時間40分の異例の長さに及んだ。

 藤井社長は冒頭から、顔を紅潮させ、埼玉工場(埼玉県新座市)で新たな消費期限切れの牛乳使用が分かったことや、札幌工場でも基準を上回る細菌を検出していたことを明かす。続けて「私は責任を取り、辞任したい」と、幹部社員と一緒に頭を下げた。

 「必死の覚悟」「ご理解を」「伝統のペコ人形のように、皆様に笑顔を送りたい」。メモを手に、言葉を詰まらせながら続ける藤井社長に、会見場は静まり返った。

 ところが、消費期限切れの材料を使った経緯や関与した社員の人数など、事実関係を確認する質問には「調査中なのであいまいなことは言えない」「従業員からのヒアリングの内容が手元にない」と繰り返した。記者からは「そんなあいまいな情報で発表しているのか」と厳しい声も。

 会見開始から1時間以上が経過したころ、札幌工場で洋生菓子から基準以上の細菌が検出されていたことに関して質問されると「回収や出荷停止にしなかったのは問題だった」と初めて深刻な事態だったことを明かした。「モラルの低下で出来なかった」と謝罪するものの、会見は「重要事実」が小出しになるためズルズルと長引くだけで、実態解明とはほど遠い内容となった。

(1月15日 毎日新聞)

 雪印の轍を見事に踏んだ不二家。「ごめんなさい」は速攻&正直にするのが一番で、個人ベースではそれが分かっていても、個人で背負える以上の責任がひっかぶさってくると、とたんに臆病になっちゃうのが日本企業の経営者のカルチャー。この「経営者の基本カルチャー>過去の教訓」が日本全体に流れる基本潮流である限り、いずれ別の企業が不二家の轍を踏むことは必至ですな。

 それはさておき、神楽の地元の不二家のフランチャイズ店も閉店中なんですが、一昨日夜にその店先を通りがかったら、小学生くらいの女の子がシャッターに張られていたお詫びの張り紙をジッと読んでました。その表情がなんとも形容し辛く物悲しくて…居た堪れなかったですね。不二家のお菓子好きなんで(特にカントリーマアム)、何とか最悪の事態だけは避けて欲しいものです。もちろん、正すべきは正して後、というのは大前提ですが。

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