粉飾決算でライブドアに賠償命令、機関投資家に95億円

 今回の判決をもとに、今後発生するであろう事態。

1.他のライブドア株主からの損害賠償請求運動の拡大

2.ライブドア以外に同種の粉飾問題で株価下落した企業への損害賠償請求の発生

3.ライブドアショックで巻き添え食らって株価が下落した「1.2以外の企業」の株主による損害賠償請求の発生

 一番バカバカしくて一番情けなくて一番怖いのは3ですな。本当に発生するかどうかは分かんないけど。いずれにせよ、「該当する企業の株主でなくても、株価下落の原因がはっきりしている場合、損害賠償はできるのか否か」「責任を取るのは法令違反企業だけか、監査法人から幹事証券、解任された旧経営陣まで『被告』の幅を取るべきか否か」…そこらへんの線引きが曖昧な今回の判決。今後への波紋は大きくなりそうだなあ。

 個人的に「投資=企業への目利き力も含めた自己責任」派なんで、この手の損害賠償裁判の原告連中の厚顔ぶりにはウンザリです。とりあえず彼らに言いたいのは2点。「ホリエモンもライブドア株の大株主だが、自分が損した分についてライブドアに請求しても、今秋の判決に基づけば原則上問題ないよね?」「粉飾で株価上昇時に儲けた分はどうするの?損した分だけ補填しろなんて虫がよすぎるよね?」。特に後者については、東京地裁に対しても見解を伺いたいですね。ぶっちゃけ株価形成のロジックってさ、今回の判決の算定式で出せるような簡単なものじゃないですよと。

 ライブドアの粉飾決算事件で株価が暴落し損害を受けたとして、同社株を保有していた日本生命保険と信託銀行5行が、ライブドアホールディングス(旧・ライブドア)に計約108億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。

 阿部潤裁判長は有価証券報告書の虚偽記載による損害を認め、約95億円の賠償を命じた。ライブドア側は控訴する方針。ライブドア株を巡っては、3300人以上の個人株主などが計8件の損害賠償請求訴訟(請求総額約607億円)を起こしており、大きな影響を与えそうだ。

 2004年の旧証券取引法(現・金融商品取引法)の改正で、有価証券報告書の虚偽記載で投資家が損害を受けた場合、株式の発行会社に損害賠償請求できることが明記された。今回の判決は、この新規定を適用して企業の賠償責任を認めた初のケースになる。

(6月13日 読売新聞)

 …ああ。あと、「関連して」この記事もご紹介。ここ数日、妙なところから飛んできている人がいるなー?と思っていたら、何のことはない。これ関連ですか。なるほどね。

 まさに笑止。「あんたら」が昭和ゴムと東北デバイスを食い物にすることを明らかにした日、世間がどういう反応をするか、今から興味津々ですよ。

ホットストック:昭ゴム<5103.T>買い気配、タイ投資会社の日本法人に第三者割当増資

[東京 13日 ロイター] 昭和ゴム(5103.T: 株価, ニュース, レポート)が買い気配。同社は12日、タイの証券取引所に上場する証券会社・リース会社を傘下とする有力投資企業グループであるA.P.F.グループ系列の日本国内投資会社、明日香野ホールディングスを割当先に、11億4500万円の第三者割当増資を行うと発表。グローバルな事業革新を図り、乱用的な買収提案者からの買収を未然に防衛するために長期的で安定した有力な株主の支援を得る必要があるためと説明しており、材料となっている。株式の希薄化が生じるが、同社が組成する投資事業組合の運用などで損益および財務基盤の改善を可能にするという。 

 発行価額は1株83円で、普通株1500万株を発行する。払込期日は6月27日の予定。今回の割当で明日香野ホールディングスは昭和ゴムの35.79%を保有し、筆頭株主となる。

(6/13 ロイター)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です