7月に公開されたジブリ映画『ゲド戦記』に対する原作者ウルスラ・K・ル・グイン氏による見解(第一印象)が彼女のウェッブサイト「ウルスラ・K・ル・グイン公式サイト」にて公開されている。
この見解は、日本にいる多くの原作ファン(ル・グイン氏のファン)に対して、自分が映画『ゲド戦記』についてどう考えるかを書いたものであるとしている。
文章は当初の『ゲド戦記』の映画化を許諾した理由から始まり、監督が宮崎駿氏から吾朗氏に代わった理由、さらに完成した映画を観た感想に至る経緯を含むかなりの長文になっている。
しかし、文章の中心はその冒頭で語られている多くの映画作品の原作者は映画の製作にはほとんど口を出すことが出来ない、映画『ゲド戦記』と自分の『ゲド戦記』は別物であるという考え方に貫かれている。
映画についてもよい点と悪かった点を挙げるほか、色の使い方や物語についてなど様々な細かな批評を行っている。それでも、別作品と考えて欲しいというのが彼女の基本的なメッセージと言えそうだ。
ル・グイン氏の見解は出来るだけ公平性を保とうとしているが、それでも映画『ゲド戦記』やスタジオジブリに対する厳しい見方や失望が垣間見える。
例えば、当初は宮崎駿氏が監督するはずだった映画が吾朗氏に変わったことについては、駿氏が引退すると聞かされたためであるとしており、監督が代わったことと宮崎駿氏が現在も映画の仕事を続けていることについて失望を表明している。
また、グイン氏は自分が吾朗氏に個人的に述べた見解が、吾朗氏のブログに公表されたことに当惑を示している。そして、これが映画『ゲド戦記』に関する彼女の第一印象を公表する理由だともしている。
ル・グイン氏が述べているように、作者がどんなに愛している作品であっても、一旦、作者の手を離れて映像化される作品は、作者に制御出来ない。そして、今回のように当初の期待や思惑がすれ違うケースも少なくない。
原作者と映画化する人たちの不幸なすれ違いは、これからもまだまだ続くのかもしれない。
ウルスラ・K・ル・グイン公式サイト(英語)
映画ゲド戦記に関するル・グイン氏の見解
http://www.ursulakleguin.com/GedoSenkiResponse.html
(アニメ!アニメ!ニュース)
この件については、あちこちの掲示板やブログで語りつくされている観がありますし、方々の最大公約数的な意見に神楽も同意です。ですので、追加で申し上げたいのは一言だけ。
「ル・グイン氏の感想に対する宮崎吾朗氏の反応。あれが素なら吾朗氏へ好意的に原作を任せる人間はもう出てこないでしょう。あれが演技なら吾朗氏と積極的にビジネスで組もうという人間はもう出てこないでしょう」。まあ、それでもジブリブランドに阿る連中は尽きないでしょうから、お仕事自体は続けられるかもしれないけどね。
とりあえず、吾朗氏は空気嫁と。
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