ここ数日、地上波デジタル放送事業関係で地方局やHD-SDI関連メーカーを回ってました。皆さんの声を聞いてみると、地上波デジタルって代物がいかに金食い虫で、現場の人にとっても扱いづらい代物だってことが改めて良くわかります。
そもそも、年の経常利益がせいぜい一桁億円前半が多い地方局にウン十億円かかる必要設備を2011年のデジタル放送本格稼動前に全部まとめて入れろってのが、どだい無理な話なんですよね。一方、機器メーカーは儲かっているかと言えば、東芝やNECみたいに既得権益がっちり押さえている大手以外は新たに入り込めるはずも無く、でもR&Dコストは重いしで、みんな揃って青色吐息。
(事情はそれぞれ少し違うにしても)お上のご意向の強い日本以外で、地上波デジタル放送が上手く立ち上がらないか開店休業状態なのは、技術的な問題でも制度的な問題でもないような気がします。もっとも、放送免許確保のためにTS機器など伝送関連設備だけ入れて、スキャンコンバータその他制作関連は「金が無いから知らん!」ってのは、メディアというかサービス業者としていかがなものかと思いますが>一部地方局。
で、これだけ苦労して体制整備を進めているわけですが、欧米や南米某国で今年から来年にかけて、日本の現状を踏み台にしたとしか思えない「ちょいと先を行った」地上波デジタル放送が開始されるし、2008年からはFTTHの普及の露払い役をやらされるとしか思えないIP方式の地デジ放送再送信が始まる模様。この有様を見ていると、NHKハイビジョンの悲劇というか喜劇を思い出すのは神楽だけでしょうか?
コメントを残す