これまでに投入した予算はざっと5,000億円。個々の衛星の性能はともかく、過去の打ち上げ失敗がたたって、衛星4基中2基はもうそろそろ寿命と言うのがチト痛い現実ですな。
まあ、無いよりはマシなので、利用官庁間で下手な足の引っ張り合いなどせず、せいぜい上手い運用をして欲しいものです。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日午後1時41分、政府の情報収集衛星(IGS)を搭載したH2Aロケット12号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星はその後、分離が確認され、打ち上げは成功した。これでIGSは目標の4基態勢となり、天候に左右されずに地上の全地点を1日に1回以上撮影することが可能になった。H2Aは7号機(05年2月)以降、6機連続で打ち上げに成功した。
IGSは、北朝鮮の軍事関連施設の監視が主任務となる事実上の「偵察衛星」。光学衛星とレーダー衛星の2基1組で情報収集する。2組4基態勢を目指していた政府は、03年3月に1組の打ち上げに成功したが、同11月に残る1組の打ち上げに失敗。昨年9月に光学衛星1基を、今回残るレーダー衛星1基を成功させた。4基態勢が整ったことで、雲の有無にかかわらず、地上のどの地点でも1日に最低1回、撮影できるようになった。
12号機は発射後、太平洋上を南へ向かって上昇。400~600キロの予定高度に到達後、第2段ロケットから衛星を分離した。分離高度や飛行経路などは、衛星の周回時間や軌道などが特定されると情報収集に支障が出るとして、公表されていない。
12号機は全長57メートル、重量352トンの2段式ロケット。1段目には、発射時に強力な推進力を得るため、大小の固体ロケットブースターを計6本(総重量216トン)搭載している。打ち上げ費用は112億円。また、同機には性能を向上させた光学衛星の実証衛星も搭載している。
打ち上げは当初、15日の予定だったが、天候悪化のために3度延期されていた。【松谷譲二】
(2月24日 毎日新聞)
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