映画評論家、水野晴郎さん死去

 失って気付く大切なもの。あの口癖も「シベリア超特急」も生前は「ネタ」だったけど、もう聞けない観ることができないとなると…悲しいです。故人のご冥福を祈りつつ最後に「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」。合掌…。

 映画評論家の水野晴郎氏が10日午後3時5分、肝不全のため東京都内の病院で死去した。76歳。岡山県出身。

 水野さんは2歳で旧満州に渡り終戦を迎えた。1946年に引き揚げた直後に両親を失ったが、幼かった弟3人と妹1人の面倒を見ながら昼間は郵便局や本屋に勤め、夜は定時制高校に通った。

 「風と共に去りぬ」や「カサブランカ」などの洋画に魅せられ、56年に上京。洋画配給会社「二十世紀フォックス」に入社し宣伝部長を務めて72年、独立し洋画配給会社「IP(インターナショナルプロモーション)」を設立した。

 その間、慶応大学国文科を9年がかりの通信教育で卒業。71年10月から日本テレビ系「水曜ロードショー」の解説を担当。83年6月の参院選には新自由クラブ民主連合の名簿第3位で立候補したが、落選。記者会見で「いやぁ、選挙って奥行きの深いもんですね。厳しいもんですね」の名セリフを残した。

 95年には念願だった初監督作「シベリア超特急」の製作を発表。自らは山下奉文大将役で出演。特急列車内で起こる殺人事件をサスペンスタッチで描き、山下大将が犯人を突き止めていく。娯楽作品だが、ところどころに反戦平和を訴える監督の思いが挿入されている。同作は「シベ超」の愛称でシリーズ化され、列車が動かない、安っぽいなどの批判が渦巻いたが、その一方でカルト的な人気を誇り、05年8月には石川県のローカル線「のと鉄道」に「シベリア超特急号」を走らせ、監督も乗車。長年の夢をかなえていた。

(6月11日 産経新聞)

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