地域安全保障の重要性増す「琉球弧」 ~ 中国軍、台湾想定の上陸侵攻訓練か…面積近い海南島沖3か所で演習

台湾有事の際には、距離が近い南部戦区の兵力も投入される可能性が高い。演習を通じて、複数の戦区による共同作戦の能力向上などを図っている可能性もある。

南部地区軍の侵攻ルートを南方からの「一本」に絞らせ、持久戦の体制を採る時間的余裕を台湾軍に持たせるだけでも、琉球弧に展開する自衛隊の存在は大きい。万一、中国軍の台湾進攻が現実化し、台湾政府と軍主力が台湾東部に疎開した日には、琉球弧は文字通り台湾の生命線になる。

叶うことなら、抜かずに済ませたい「地域安全保障の宝剣」自衛隊@琉球弧。中国には更なる自重を望む。

中国軍、台湾想定の上陸侵攻訓練か…面積近い海南島沖3か所で演習(2021/12/16 読売新聞)

 【北京=大木聖馬】中国共産党機関紙傘下の環球時報(英語の電子版)は15日、中国軍が中国・海南島沖の3か所で軍事演習を始めたと伝えた。同紙は、専門家の見方として、中国軍が台湾本島に複数の方向から上陸侵攻する作戦を念頭に、戦闘準備を進めている可能性を指摘している。

 演習は、海南島の北東、北西、南西の沖合で実施されている。海事当局は13日、この3海域について、実弾射撃訓練の実施などを理由に15~17日に航行を禁止するとの通達を出していた。

 演習の詳細は明らかになっていない。海南島(約3・4万平方キロ)と台湾(約3・6万平方キロ)は面積が近い。専門家は同紙に「中国軍は台湾を想定した訓練をするために海南島を利用している可能性がある」と語った。

 中国軍では、台湾や東シナ海を「東部戦区」が担当し、海南島や南シナ海を「南部戦区」が担当しており、今回の演習は南部戦区が中心となって実施しているとみられる。台湾有事の際には、距離が近い南部戦区の兵力も投入される可能性が高い。演習を通じて、複数の戦区による共同作戦の能力向上などを図っている可能性もある。

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