第19回統一地方選・前半戦スタート ~ 大阪以外「おもろくない」結果で終わりそうな11道府県知事選予想

前回・2015年統一地方選の知事選は、与野党相乗り本命候補に 共産党候補がバンザイ突撃を仕掛けて玉砕するケースが多かったが、今回・2019年はちょっと趣が異なる。

圧倒的優位にあるはずの、保守陣営での内ゲバがやけに多いんだよなあ。偉いサンのチャラい私怨絡みの福岡やイミフな代理戦争勃発な徳島はともかくも、福井・島根は松本清張作品もビックリのドロドロが背景にあって、ぶっちゃけむせる。現地で繰り広げられているであろう地元権力者間の空手形濫発劇や、オッサンたちの醜い嫉妬のぶつけ合いの情景を想像するだけで、

「ちょっとイってしまいます」

ちょっとだけどね。結局「勝ち馬側の保守陣営を軸に再統合で終わる」のが分かっているから。既に結果が「出ている」北海道・神奈川・三重・奈良・鳥取・大分の開票結果を併せて見ても、投開票日、絶頂気分には程遠いだろうな。残念。とりあえず、11道府県知事選の予想は以下の通り。

北海道知事選

  • 当確 鈴木直道:自民党 公明党
  • 石川知裕:立憲民主党 国民民主党 共産党 自由党 社民党

4月の北海道知事選は「鈴木直道@自公系が石川知裕@野党連合系に圧勝」で決まり(2019/2/6)

  1. 札幌市長選は、現職の秋元克広に与野党相乗りで鉄板。自公優位な現在の札幌市議会の勢力通りに市長選をやったら、4年前の自公vs野党連合以上に、自公+野党連合vsその他の構図で秋元市長と泡沫候補との票差が拡大する。その結果、大票田・札幌市の票は、現職市長だけではなく自公が担ぐ知事候補の鈴木直道にも大量に流れ込む
  2. 加えて、野党陣営の地元重鎮の振る舞いが4年前をそのまま見ているが如く。4年前は、まともな独自候補を立てられなかった民主党道連(当時)の代表・横路孝弘がブチ切れて辞任。今回は、立憲道連が逢坂誠二に「出てくれ」「嫌だ」のスッタモンダの挙句に、仕方ないんで石川知裕を担ぎ出す始末。看板が変わって多少威勢は取り戻しても、旧・民主党のお歴々は根本的なところで進歩しない


「ダブルスコアにならなければ御の字ね」

神奈川県知事選

  • 当確 黒岩祐治(現職):自民党 公明党 国民民主党
  • 岸牧子:共産党

勝負にならない知事選その1

福井県知事選

  • 本命 西川一誠(現職):立憲民主党 国民民主党 社民党 (+地元自民党造反組)
  • 対抗 杉本達治(元副知事):自民党 福井維新の会
  • 金元幸枝:共産党

禅譲の見込み外れて憎さ百倍。かつて師弟関係にあった西川知事と杉本元副知事が潰し合う福井知事選。加えて、長年の西川県政にズッポリ浸かった地元政財界主流派と、西川知事のワンマンぶりに不満をため込んでいた非主流派の泥仕合が乗っかって、実に香ばしい状況になっているわけだが、どっちが勝っても保守勢力の再編成で手打ちになるのが分かっているので、個人的にはあんまり面白くない。議会軽視のきらいはあるものの、特に失政があったわけじゃない現職の西川が手堅く票を固めて優勢勝ち。

三重県知事選

  • 当確 鈴木英敬(現職):自民党 公明党 新政みえ
  • 鈴木加奈子:共産党

勝負にならない知事選その2

奈良県知事選

  • 当確 荒井正吾(現職):自民党 公明党 国民民主党
  • 川島実:
  • 前川清成:(元参院議員)

勝負にならない知事選その3。敢えて見どころがあるとすれば、「民主党→民進党→希望の党」所属だった前川が、現職の荒井陣営についた国民民主党にどういう恨み節をこぼすか位かな。ちなみに奈良知事選がガンダムファイトなら元プロボクサー兼僧侶兼医師の「拳で語り合いながら説教できてDG細胞も克服できそうな」川島候補一択なんだが、残念ながらシャイニングガンダムの実用化はまだまだ先の話なんだよなあ(そういう話でもない)。

大阪府知事選

  • 僅差上位 小西禎一(元副知事):自民党 公明党 国民民主党 立憲民主党 共産党
  • 僅差下位 吉村洋文(元大阪市長):大阪維新の会

【北海道は鈴木直道、神奈川は黒岩祐治、福岡は小川洋が圧勝で決まりなので】辰巳琢郎にフラれた自民党大阪府連、大阪府知事選に元府副知事の小西禎一を擁立へ【大阪くらいは鑑賞に堪えうる知事選になってくれ】(2019/3/11)

  1. 自民党大阪府連は既におもしろくない連中確定だけどな。政治経験より知名度を優先した「首長」候補選び。こいつら学習能力が無いというか、ぶっちゃけ大阪府民を舐めてるだろ
  2. 中央政府からすれば、自民と維新、どちらの候補が勝っても改憲戦略的にはどうでもいいけどね。地元のこんがらがった利権の行き先が変わるだけ。それだけに、自分たちの懐のゼニカネが直接絡んでくるこの戦で本気で勝つ気あるのか?自民党大阪府連?という気分になる

それでも結局のところ、「戦は数(組織票)だよ兄貴」。大阪市長選の方は松井一郎で固いとして、ノッポは番長とのタッグ戦法でどこまで数的劣勢を詰められるか。2019年統一地方選・前半戦の数少ない見どころ。

鳥取県知事選

  • 当確 平井伸治(現職):自民党 公明党 立憲民主党 国民民主党
  • 福住英行:共産党
  • 井上洋:

勝負にならない知事選その4。

島根県知事選

  • 本命 丸山達也:地元自民党若手 (+野党勢力)
  • 対抗 大庭誠司:地元自民党古参+国会議員団
  • 大穴 島田二郎:
  • 山崎泰子:共産党

引退する現職・溝口善兵衛の後継者として自民党及び他野党県議が総務省系の丸山達也を推すと聞いて、竹下亘ら島根出身国会議員や古株党員が「きいてないよー!」とこちらも総務省系の大庭誠司を急遽擁立、自民党推薦候補にしてしまったのがケチのつき始め。さらに自民党県歯科医師支部長で元安来市長の島田二郎までリングに乱入とあって、ますます内ゲバは荒れ模様。

44年前の保守分裂選挙では、野党陣営を上手く味方につけた故・竹下登一派が推す候補が勝利したが、さて今回はどうなるか。どっちにしても最後は保守勢力再編で手打ちなんだけどね。

徳島県知事選

  • 当確 飯泉嘉門(現職):自民党県連主流派+山口俊一衆院議員@麻生派 (+公明党や立憲民主党など他党の大半)
  • 岸本泰治:自民党県連内の一部勢力+後藤田正純衆院議員@石破派
  • 天羽篤:共産党

勝負にならない知事選その5。つか、後藤田はなんでまたこのタイミングで岸本を担ごうなんて考えたんだ?ここで負けたところで何の布石にもならんぞ?

福岡県知事選

  • 当確 小川洋(現職):(+自民党二階派 公明党 共産党を除く野党の大半)
  • 武内和久:自民党県連+麻生派
  • 篠田清:共産党

【せやけど麻生】2019年4月の福岡知事選、自民県連は現職の小川洋知事を推薦せず【公平に見て2年前の公認候補に蔵内謙はありえんかったで】(2018/12/29)

  1. (蔵内謙惨敗)というオチに終わるのがおいらのような素人にすら見えていたのに、いくら麻生副総理がバックについているからって、現職知事が藏内のバカボンを推せたわけないやん。かといって、立場上、「自民系候補とはいえ異端」鳩山二郎を推すわけにもいかない以上、中立でいるしかなかったやん

にもかかわらず、蔵内勇夫や麻生太郎が私怨充填120%の小川イジメに突っ走った結果、県内有権者は総じてドン引き。福岡県内の衆院議員は二階派系を中心に半数が武内支持を拒否、「党議拘束?なにそれ美味しいの?」とばかりに小川支持を表明した。公明党だけでなく他野党陣営も実質的に小川サイドに立っており、武内和久は2016年福岡6区補選の蔵内謙並みの一方的惨敗を喫する可能性がある。彼のせいじゃないのにかわいそう。

ちなみに「福岡市一の風見鶏」高島宗一郎@福岡市長は、知事選を巡る内ゲバが激化すると、自民党市議団とダラダラ対立していたロープウェー構想を白紙にして手打ち。シレッと武内サイドに立っているけど、あれは彼が本気で武内支持に回ったという意味じゃないからね。あくまでも自分のところの市議選を無風で乗り切るための方便だからね。そこんところ間違えているメディア多いけど。

大分知事選

  • 当確 広瀬勝貞(現職):自民党 公明党
  • 山下魁:共産党
  • 首藤淑子:

勝負にならない知事選その6。ちなみに広瀬と山下は4年前にも対戦。その時は広瀬の獲得票数34万票に対して、山下は2万票。今回は「民主党(当時)のくぎゅぅぅう!!」釘宮磐@2015年18万票が出ない分、どっちの候補にどれだけの票が流れるかくらいしか見どころはないかな。

多少なりとも波乱が起こることを祈って、4月7日を待つとします。だって、予想通りの結果だとつまんないんだもん。

11道府県知事選告示、30人立候補 平成最後の統一選がスタート

第19回統一地方選の幕開けとなる11道府県知事選が21日に告示され、現職8人と新人22人の計30人(女性5人)が立候補した。今回は平成最後の統一選で、夏の参院選の前哨戦となる。4月7日の投開票に向け、人口減少の深刻化や地方活性化などをめぐり、論戦が展開される。
告示されたのは北海道、神奈川、福井、三重、大阪、奈良、鳥取、島根、徳島、福岡、大分の知事選。大阪は大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」が争点になる知事・大阪市長のダブル選となる。福井、島根、徳島、福岡は保守分裂選挙で、与野党対決型は北海道だけとなった。
大阪は、自民推薦で都構想に反対の元副知事と、構想実現を掲げる前大阪市長の新人2人が出馬した。24日告示の市長選には、松井一郎府知事と自民推薦の柳本顕元市議が出馬する。
保守分裂は、自民が支援する候補に対し、一部国会議員らが対立候補を応援する構図だ。福岡は麻生太郎副総理兼財務相らが元厚生労働官僚の新人を擁立し、自民の一部国会議員らが現職を後押しする。島根は自民推薦の元官僚に対し、一部の自民県議らが別の元官僚を支援する。元安来市長も出馬した。
福井は現職に自民推薦の元副知事が挑む。徳島は自民県連が5選を狙う現職を推薦したが、多選批判の元自民県議を同党衆院議員が支援する。
一方、北海道は立憲民主、国民民主、共産などが野党統一候補として元衆院議員を支援し、自民、公明が前夕張市長を推薦した。
統一選の前半戦は知事選のほか、24日告示の6政令市長選や29日告示の41道府県議選と17政令市議選が実施される。後半戦は一般市と東京特別区、町村の首長と議員の選挙が4月21日に投開票される。衆院大阪12区、沖縄3区補欠選挙も同日に行われる。

(2019/3/21 産経新聞)

ここで「【花京院ちえり】clear」を紹介。

正気と狂気は紙一重。アイドル業も政治屋稼業も。

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