マドゥロ大統領@ベネズエラの独裁には「芸」がない件について(2017/12/11)
歴史上、有能な独裁者は、他にどんな欠点があったとしても自分の地位を守る芸にだけは長けていた。しかし、マドゥロにはそれがない。今回の野党出禁宣言は「自身が構成した国の最高機関である制憲議会の方針」とあるが、それだけだ。今まさに進められている「ペトロ」構想と同様に実効性の裏付けに乏しく、失敗の可能性が高い。
賭けてもいい。「芸無し独裁者」マドゥロ大統領の現政権は遠からず崩壊する。今日、彼が自らその執行書に署名した。
この時の予測から1年ちょい。その間に、2018年5月の「茶番」大統領選やら、2018年8月の「謎のドローン襲撃()」やら、「米国やEUだけでなくOASからもダメ出しされた」今年1月10日の大統領就任式やらを経て、遂にベネズエラ真っ二つ。
問題は真っ二つの構図。マドゥロ&軍vsグアイド&民衆にしろ、中露&大統領vs欧米・中南米&暫定大統領にしろ、ベネズエラの地下資源に色気あり派vs色気無し派にしろ、どちらかが潰れるまでこの騒乱は終わらない。十中八九、「国民を飢えさせた無能大統領」マドゥロ派の敗北で決まりだけどさ、それまでに流される同国民の涙と血の量は、リットルどころかガロン単位で計ることになるだろうね。
もう一つの問題は、マドゥロが退場した後のベネズエラ社会、否、「国民意識」の立て直し。
混乱続くベネズエラ、米州機構(OAS)脱退を表明な件について(2017/4/27)
政に仁無く、国に金無く、大半の国民には自分で稼ぐ術も無い。地面の下には原油どっさりなのにね。もう一度、カカオとコーヒーの農業国に戻ろうぜ!と言っても、一度「カネは地下から湧いてくる資源国ヽ(^o^)丿バンザイ」の旨みを知ってしまうと、元には戻れないか。それ以外の生き方を知らない層が大部分だろうからな。こわいこわい。
つっても、今のベネズエラの混乱の半分以上は、原油相場の混乱以上に、「ベーシックインカム(゚д゚)ウマー」と「石油関係以外の製造業?(゚?゚)イラネ」で自国民を堕落させたチャベスと、「口だけ達者なバス運転手が勘違いして政界にやってきた結果がこれだよ!」マドゥロというトンデモ大統領が、二代続いているせいだけどな。
ベネズエラ国民の大半は、チャベス&マドゥロという歴代トンデモ大統領の犠牲者ではあるんだけど、同時に、長期間に亘ってスポイルされ尽くした大衆でもある。彼らを再び「まともな労働者」に戻すのは大変だろうね。予想される「ベネズエラ内乱 ~ 欧米vs中露代理戦争」を生き残ることよりもよっぽど。
きゅっぷい。
強権マドゥロ氏、最大危機=国会議長の暫定大統領宣言―ベネズエラ
【サンパウロ時事】反米左派のマドゥロ大統領が独裁体制を固めつつあった南米ベネズエラで23日、反体制派のグアイド国会議長が暫定大統領就任を宣言した。
米州主要国が即座に権力移行を支持。思うままに強権を振るってきたマドゥロ氏は2013年の就任以来、最大の危機に陥った。
「権力強奪に終止符を打つため、大統領権限を正式に引き受ける」。議長就任1カ月に満たない35歳のグアイド氏が、首都カラカスの通りを埋めた市民数十万人を前に宣言した。トランプ米政権は即座に承認し、「民主主義回復に向け、外交・経済の両面で全力を挙げる」と表明。ブラジルやコロンビア、カナダなどが間髪を入れずに呼応し、「米州マドゥロ包囲網」を敷いた。
マドゥロ氏は17年以降、最高裁を操って野党を露骨に圧迫してきた。昨年5月には野党を実質的に排除した選挙で再選を果たし、独裁の仕上げにかかった。今月10日に2期目の就任式を行ったが、日本を含めた民主国家のほとんどは出席を拒否、正統性を否定した。グアイド氏は、国際的な反発を追い風に「権力空白状況」を一突きした。
マドゥロ氏はグアイド氏の宣言を、ベネズエラの石油資源を狙う米政権が後ろ盾となった「愚かしいクーデターの企て」と一蹴した上で、米国との国交断絶を発表。一方で、軍に「最大の忠誠心と団結、規律を求める」と述べ、足元を固めにかかった。軍部はマドゥロ氏支持を表明。これまでのところ権力基盤に揺らぎは見えず、国内的にはマドゥロ氏、対外的にはグアイド氏が国を代表する「二重権力」状態が続く可能性がある。
ただ、国際石油価格の低迷とマドゥロ氏の経済失政の影響で、石油輸出国機構(OPEC)原加盟国であるベネズエラ経済は破綻。昨年のインフレ率は170万%に達し、ここ数年で数百万人が国を逃れるなど国民の我慢は限界に達している。「断交」された米国が石油取引を禁じたりすれば、国民生活はさらに逼迫(ひっぱく)し、不満が爆発するのは必至だ
また、市民に120人以上の犠牲者を出した17年のように、マドゥロ氏が力で反政府デモを抑えつけて死者が増えるようなことがあれば、頼みとしていた軍が同氏を見限る可能性も高くなる。当面、剣が峰が続きそうだ。(2019/1/25 時事通信)
ここで「【アイドル部MMD】乱舞のメロディ 再現」を紹介。
親和性高。
コメントを残す