2017衆院選最終盤予想・ブロック別その2(北陸信越・東海・近畿・中国・四国・九州ブロック)

「自公321希望43立民53/465」2017衆院選最終盤予想な件について(2017/10/20)

  • 自公は解散時の320議席(注:欠員含まず)と上回る、321議席を獲得できる可能性があります。少なくとも、改憲発議に必要な議席数310議席を上回ることは確実な状況です。
  • 希望の党は43議席を獲得すると予想されます。同党及び小池百合子代表に対する支持率が急落し続ける中、公示日時点に獲得可能と考えられた68議席と比べて2/3の規模へ縮小し、公示日時点の勢力57議席から10議席以上を失うとみられます。
  • 立憲民主党は53議席を獲得すると予想されます。小選挙区もさることながら、希望・維新・共産支持層から流入した反政権票の受け皿として比例区で躍進することで、公示日時点予想の30議席から6割増となると考えられます。選挙後、野党第一党、衆院第二党の位置を確保することは、ほぼ確実です。
  • 旧・民進党系を中心に、議席獲得可能な無所属候補は19名いると想定されます(注:選挙後の追加公認が確定済みの隠れ●●は含みません)。公示日時点で新党大地が比例1議席を獲得する可能性がありましたが、現状では実現困難と判断します。

政党名 選挙区予想 比例予想 合計
自民党 220 67 287
公明党 9 25 34
希望の党 17 26 43
日本維新の会 5 7 12
立憲民主党 17 36 53
共産党 1 14 15
社民党 1 1 2
諸派・無所属 19 0 19
合計 289 176 465

 昨日の北海道・東北・北関東・南関東・東京ブロックに続き、今日は、北陸信越から九州までの6ブロックについて、比例ブロック別の議席予想を述べます。

  • 北陸信越ブロック(新潟・富山・石川・福井・長野)

10/10時点

●小選挙区・定数19:自民11、希望3、立民1、無所属4

●比例区・定数11:自民5、公明1、希望3-2、共産1、立民2-1

10/20時点

●小選挙区・定数19:自民13、希望2、立民1、無所属3

●比例区・定数11:自民5、公明1、希望2、共産1、立民2

富山・福井に続き、3区の希望の近藤和也が失速した石川も自民が総取り。一方、新潟は、1区の立民の西村智奈美、2区の無所属の鷲尾英一郎、4区の無所属の菊田真紀子と、3・5・6区の自民候補が議席を分け合う。長野も、1区を無所属の篠原孝、2区を希望の下条みつ、3区を希望の井出庸生が押さえる。自民は、4区の後藤茂之、5区の宮下一郎のみ。比例区は、公示日時点でこそ希望が立民を集票力で上回っていましたが、10/22は獲得議席数では並んでも立民の得票が希望を大きく凌駕すると見ます。今回の衆院選を象徴する結果になるでしょう。

  • 東海ブロック(岐阜・静岡・愛知・三重)

10/10時点

●小選挙区・定数32:自民19、希望7、立民2、無所属4

●比例区・定数21:自民7-6、公明3、希望5-3、維新1-0、共産3-2、立民5-2

10/20時点

●小選挙区・定数32:自民22、希望6、立民2、無所属2

●比例区・定数21:自民8、公明3、希望4、共産2、立民4

岐阜の自民総取りは変わらず。細野豪志の地元・静岡で、希望は細野の5区と渡辺周の6区のみ、それ以外は自民総取りなのも変わらずですが、渡辺の後ろに自民の勝俣孝明が急接近中。波乱の予感。数少ない野党勝利県と見られていた愛知に変化。15カ所の小選挙区で自民が獲れるのは、公示日時点で1・6・7・10・14・15区の6つでしたが、8区の伊藤忠彦が無所属の伴野豊を、9区の長坂康正が希望の岡本充功を抜いて先頭に。4区の工藤彰三も希望の牧義夫を射程に捕らえました。三重は、2区の無所属の中川正春が自民の川崎二郎の後塵を拝する展開。自民は全4区中3区を制し、野党・無所属は3区の岡田克也だけという結果になりそうです。比例は立民が大化けする一方、それに負けないペースで化けたのが自民。維新と共産の退潮が著しい。

  • 近畿ブロック(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

10/10時点

●小選挙区・定数47:自民21、公明6、希望7、維新10、立民1、無所属2

●比例区・定数28:自民7、公明4-3、希望3-2、維新9-8、共産3-2、立民6-2

10/20時点

●小選挙区・定数47:自民31、公明6、希望3、維新5、立民1、無所属1

●比例区・定数28:自民8、公明4、希望3、維新7、共産2、立民4

兵庫の自公総取りは変わらず。大阪で維新が、京都・滋賀で希望が大敗の流れ。公示日時点で、大阪は維新が19小選挙区中10カ所、滋賀と京都は希望が計10小選挙区中5カ所を確保するとみられていましたが、現在では維新が5カ所、希望が2カ所まで半減するとみられます。立民の1議席は大阪10区の辻元清美、無所属の1議席は大阪11区の平野博文。滋賀1区の嘉田由紀子は自民の大岡敏孝の前に敗色濃厚。滋賀は希望候補も全滅で、自民が総取り。奈良も、1区の希望の馬淵澄夫が陥落寸前で、自民が総取りの可能性。和歌山はいつものメンツ。ここは何があってもいつものメンツ。比例の傾向は、案の定、東海ブロックと近似。

  • 中国ブロック(鳥取・島根・岡山・広島・山口)

10/10時点

●小選挙区・定数20:自民19、希望1

●比例区・定数11:自民4、公明2、希望2-1、維新1-0、共産1、立民3-1

10/20時点

●小選挙区・定数20:自民19、希望1

●比例区・定数11:自民5、公明2、希望1、共産1、立民2

希望の佐藤公治が本命の広島6区を除き、全ての小選挙区を自民総取りな傾向に変化なし。比例は、自民と立民の二人勝ち。中国というガチガチな保守ブロックでも、この全国的な傾向は顕著です。

  • 四国ブロック(徳島・香川・愛媛・高知)

10/10時点

●小選挙区・定数11:自民10、希望1

●比例区・定数6:自民3、公明1、希望2-1、立民1-0

10/20時点

●小選挙区・定数11:自民10、希望1

●比例区・定数6:自民3、公明1、希望1、立民1

希望の玉木雄一郎の香川2区を除き、全ての小選挙区を自民総取りな流れは変わらず。敢えて波乱の可能性がある小選挙区を上げれば、自民の白石寛樹vs希望の白石洋一の愛媛3区と、自民の山本有二vs無所属の広田一の高知2区。高知2区は広田かも。比例は荒れずに、希望1減、立民1増。

  • 九州ブロック(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)

10/10時点

●小選挙区・定数35:自民28、希望2、共産1、社民1、無所属3

●比例区・定数20:自民7、公明4、希望3-2、維新1-0、共産2、社民1、立民4-2

10/20時点

●小選挙区・定数35:自民30、共産1、社民1、無所属3

●比例区・定数20:自民7、公明3、希望3、共産2、社民1、立民4

福岡・長崎・熊本・宮崎に加え、大分1区の吉良州司と鹿児島3区の野間健が自民候補の前に劣勢なため、大分・鹿児島も自民が総取りの可能性。「希望最後の希望」は、長崎1区で西岡秀子によるジャイアントキリングですが、自民の冨岡勉が相手では可能性はかなり低いです。つまり、九州ブロックの小選挙区、希望候補は全滅の可能性大。与党陣営全滅が既定路線の沖縄を除くと、野党・無所属陣営は、佐賀1区の無所属の原口一博が孤独な闘い。比例は希望と立民の二人勝ちに加えて、公明が熊本でのゴタゴタもあって「やらかし」1議席減。公明は東北ブロックも2議席確保が危ない状況ですが、九州ブロックのこれは半分自業自得です。

 ざっとこんな感じです。昨日の北海道~東京ブロック編と同様、北陸信越~九州ブロックでも、希望ついでに維新と共産の退潮が著しい結果となりました。特に愛知と近畿ブロックという、希望内の民進党勢力と維新の地盤でここまで勝ちきれないとなると、ハマった小池から這い上がった後も、希望と維新のお歴々が立ち直るには相当な時間がかかるでしょう。

 もっとも、問題なのは立ち直るのに必要な時間ではなく、立ち直り方そのもの。特に希望の民進党前職組。自分たちの落選の原因や責任を、小池百合子個人や希望の党の創設メンバーに押し付けているうちは、有権者からの信用を取り戻すことは難しいと思います。と言いますか、

f:id:kagura-may:20150206211536j:image:h300

「小池百合子以上の風見鶏がこんなに巣食っていた党なんですね。民進党って」

 その醜悪さを改めて見せつけられると、呆れるのを通り越して、こわいこわい。

小池氏へ身内から異論次々 希望苦戦で民進出身の前職ら

 22日投開票の衆院選で、希望の党の候補者たちから小池百合子代表の発言や党運営へのありようへの異論や指摘が相次いでいる。報道各社の情勢調査で同党の苦戦が伝えられるなか、選挙結果によっては小池氏への反発が強まる可能性もある。

 「小池代表の発言で一気に支持率が下がる不安定な党ではいけない」。20日朝、結党メンバーで前職の松原仁氏(東京3区)が街頭で訴えた。念頭にあるのは、希望に民進党が合流する際に小池氏が持ち出した「排除の論理」だ。「日本は和をもって貴しとなす国だ」と苦言を呈したうえで、「1人に頼りすぎる政党は極めて異常」と指摘。党運営を集団指導体制にすべきだとの考えを示した。

 異論の多くは、民進出身の前職らによるものだ。

 田嶋要氏(千葉1区)は19日夜、街頭で「できたばかりの希望を実際に運営するのは民進出身の中堅だ」と演説。「小池さんが自民党との連立や憲法9条改悪を行うようであれば、希望にはいられない」と訴えた。升田世喜男氏(青森1区)も各地の街頭演説で「希望が自民の補完勢力だったならば、わかり次第離党する」と明言している。

 希望との合流を決めた前原誠司・民進代表側近の小川淳也氏(香川1区)は19日の街頭演説で、「この新党、第2自民党になるくらいならいらんと思う」と指摘。立憲民主党の名前まで挙げて、「もう一回、野党は再合流に向けて大きな固まりを作り直していかないといかん」と述べた。(別宮潤一)

10月21日 朝日新聞

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