ドナルド・トランプの「逆」を行って自滅したテリーザ・ メイ ~ 英総選挙で保守党過半数割れ

 「EU離脱交渉には強い指導者が必要だから」と、「英国ファースト」でも「保守党ファースト」でもなく「私ファースト」を呼びかけ、EU離脱による生活向上を期待している低所得者・地方民に対して、身内による密室政治で物事を進めながら党首討論は避けるという「ひ弱なエリート像」を見せつければ、そりゃイメージに引っ張られやすい大衆からは距離を置かれて当然。

 良くも悪くも大統領選までのドナルド・トランプは、その逆を行って「本命」ヒラリー・クリントンに勝利した。選挙人制度によるマジックの部分はあるが、それでも選挙戦当初の劣勢から逆転できたのは「米国ファースト」「マッチョな指導者像」を前面に押し出した成果に他ならない。

f:id:kagura-may:20170117213025p:image:h300

「テリーザは、国を動かす政策には通じているけど、大衆を動かす政治には疎いようね」

 昨年のトランプ候補とは反対に、勝てる戦を落としたメイ英国首相。これで保守党のTOPは、2回連続して「大衆相手の政治劇」で自滅したことになる。3回目の自滅劇は、さて、あるかな。あるいは、与党として許されるかな。

 そして、12日に下院選を控えるマクロン仏大統領は、今回のメイ英国首相の自滅を、どこまで自身への追い風とすることができるかな。

 個人的には、「予想以上に市場原理の申し子な肉食獣」だったマクロンが、共和・社会の旧二大政党支持層を踏み台にし、英国からの追い風で大勝し、然る後に「21世紀の皇帝ナポレオン」として顕現する事態が起こりそうで、少々怖いんだが。

英総選挙 与党・保守党過半数割れ メイ首相は政権維持の意向

 EU=ヨーロッパ連合からの離脱の方針などが争点となったイギリスの総選挙は、これまでの開票の結果、与党・保守党が第1党にはとどまるものの、過半数の議席を維持できないことが決まりました。メイ首相は引き続き政権を担う意向を示していますが、選挙の結果について責任を問う声が強まることも予想され、EUからの離脱に向けた交渉にも影響がでるのは避けられない情勢です。

 8日、投票が行われたイギリス議会下院の総選挙は開票作業が進み、日本時間の午後5時50分現在、議会下院の650議席のうち649議席が確定しました。

 その結果、与党・保守党が318議席、最大野党の労働党が261議席、スコットランド民族党が35議席、自由民主党が12議席などとなり、保守党はこれまでの330議席から議席を減らし、過半数の326議席を維持できないことが決まりました。

 ただ、メイ首相は引き続き政権を担う意向を示していて、日本時間午後8時すぎに首相官邸を車で出発してバッキンガム宮殿に向かい、エリザベス女王と謁見して政権の樹立に向けて了解を求めるものと見られます。

 BBCは、選挙で10議席を獲得した北アイルランドの地域政党の協力を得ることで合意したと伝えています。

 しかし、みずから総選挙の前倒しを決めながら過半数の議席を維持できなかったことについては、野党だけでなく与党の内部からも批判が上がっていて、今後首相の責任を問う声が強まることも予想されます。

 さらに、政治の混乱が続けば、今月中旬から始まる予定だったEUからの離脱に向けた交渉の日程にも影響を及ぼすことになり、EU側でも懸念が広がっています。

(以下略)

(6月9日 NHK)

一押しして頂けると励みになります<(_ _)>

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です