2016年の北朝鮮の200日戦闘は、半世紀前の中国の大躍進政策から何も学んでいない

 日頃の準備不足を棚に上げて「とにかく数だ」。大量の建造物を作るのに重機ではなく人海戦術、挙句に演奏隊を配置してチンドン屋「効率的なリソース投入?何それ」。被災地にプレハブ仮設住宅ではなく基礎工事も半端な中層住宅を建てて「本格再建時の苦労?知らんわ」。

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 瀬戸際外交や軍事強国主義は、一万歩譲って外交政治のうちだが、今回の200日戦闘の頭の悪さは想像を絶する。生き残った人民を無駄に疲弊させて早死にさせるだけの愚行だ。少しは、21世紀の国家の指導部らしい頭の良さを見せられないのかね。金正恩とその取り巻きは。

北朝鮮、過酷な「200日戦闘」 手作業で集合住宅建設

 過酷な災害復旧作業や上納金集め――。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権が展開する「200日戦闘」と呼ばれる増産運動の一端が、中朝国境付近の取材で浮かび上がってきた。この夏の終わりに台風10号で被災した国境の街は、北朝鮮政府や軍の号令のもと、人海戦術で復旧作業に当たっていた。

 9月10日、台風10号による洪水被害を受けた北朝鮮・咸鏡北道南陽が見渡せる場所に向かった。中朝国境を流れる図們江(北朝鮮名・豆満江)の対岸にある中国・吉林省延辺朝鮮族自治州図們の高台に立つと、南陽の街がよく見えた。

 川に近い民家の多くは浸水し、一部の民家は全壊。外壁が流されて室内がむき出しの住宅もあった。

 北朝鮮北東部では8月末から9月初めにかけて、台風の被害が広がった。国連人道問題調整事務所によると、少なくとも138人が死亡し、約400人が行方不明に。住まいを失った人は約6万9千人に上った。

 9月24日早朝、再び高台に上ると、南陽の様子が一変していた。川に近い民家がごっそり撤去され、更地になっている。被災した建物は倒壊の恐れがあるので、新たに集合住宅の建設に乗り出したようだ。

 北朝鮮政府は、人口7万人とされる南陽に軍を動員。荒れ地の一角に止まった宣伝車の屋根には、「200日戦闘」と書かれた看板が見えた。図們の住民によると、中国側も重機を出動させ、寄付金や資材を送って協力しているという。

 「大きな洪水から回復する闘いに、軍民が一致団結した威力を発揮しよう」。町の各所にこんなスローガンが掲げられ、楽器を持った演奏隊も出動。図們まで、住民らを鼓舞する勇ましい音楽が響いている。

 しかし重機は少なく手作業がほとんど。図們の住民によると、作業は早朝4時ごろから翌日未明まで続くといい、疲れたのか座り込む作業員も見られた。

 その1カ月後、改めて高台から南陽を望むと、更地だった場所に5階建て前後のアパートが続々と建設されていた。望遠レンズで見ると、木の棒や破片で足場と階段を作り、アパートを建設している。クレーンは見当たらない。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10月27日、南陽の住宅建設が最終段階にあるとして、「連日奇跡を生み出している」とたたえた。

(11月1日 朝日新聞)

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