北朝鮮に改新浦級SLBM搭載潜水艦を自国開発する能力はあるか

 ある。北朝鮮がSLBMの実験に使っている新浦級のベースは、旧ソ連のゴルフ級潜水艦。この骨董品を一度ばらして再設計・再構成するノウハウを有していることを、同国は今年の8月の時点で既に実証している。

 一足飛びにホテル級に準ずる5,000級原潜の開発は流石に無理だが、SLBM搭載数1発の2,000-3,000トンクラスのゴルフ級を、SLBM搭載数3発の3,000-4,000クラスまでスケールアップすることは、現在の北朝鮮の保有技術でも十分可能だ。

 もちろん、長期の作戦行動に向くような居住性や隠密性、作戦後の生存性を犠牲にすればという前提であり、日本その他の先進国では許されないコンセプトだ。しかし、「核弾頭装備の21世紀版回天」や「魚雷の代わりにSLBMを積んだ蛟龍」という特攻兵器の開発が許される国風の北朝鮮ならば、実現は可能と考える。

 日韓はじめ、北朝鮮の脅威を直接受ける国は、今回の報道の意味を軽く見ない方がいい。北朝鮮は、買い取ったスクラップ状のゴルフ級潜水艦をリエンジニアリングして使い潰している現状から、一段階上のステージに上がった。今の北朝鮮は、SLBM搭載潜水艦を自国で「作る」ことができる。

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北朝鮮「はい。潜水艦建造技術、大分上達しました。頑張りました、はい!」

 いずれ自国で「創る」ことも可能になるだろう。そこからどういう進化を遂げるか、現時点で想像はできない。彼らのレベルアップを軽く考えていると、対潜作戦能力世界一の海上自衛隊も思わぬ痛い目を見ることになるぞ。油断は禁物。うー。がるるー。

北朝鮮 大型の新たな潜水艦建造に着手か

 アメリカの研究グループは、北朝鮮東部にある造船所の衛星写真の分析結果を公表し、北朝鮮がこれまでより大型の新たな潜水艦の建造に着手した可能性があると指摘しました。

 これは、北朝鮮の動向を調査しているアメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究グループが先月30日、公表したものです。

 研究グループでは、ことし1月から先月まで北朝鮮東部シンポ(新浦)にある造船所を撮影した衛星写真を分析したところ、建造作業を行う施設の周辺で大型の部品を動かすクレーンや大勢の作業員の活発な動きが見られたということです。また、先月には、潜水艦の部品と見られる直径10メートルの円筒状の物体も確認できたということです。

 このため、研究グループは、北朝鮮が新たな潜水艦の建造に着手した可能性があると指摘しています。さらに、部品の大きさから、北朝鮮がSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの発射に使用しているとされる潜水艦より大型になるとしています。

 北朝鮮はSLBMの発射を繰り返していますが、この研究グループでは、北朝鮮がSLBMを実戦配備するには現在保有している潜水艦は小型すぎるとして、ミサイル開発だけでなく新たな潜水艦の建造も始める可能性があると警告していました。

(10月1日 NHK)

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