死傷者の数や天津港湾地区の被害の甚大さ以上に、事故調査をやっている消防当局が、事故原因に触れないまま記者会見を打ち切ったことの胡散臭さが際立つこの事故、いや「事件」。
成長が減速する実体経済へのテコ入れとして、異例の3日連続人民元切り下げに踏み切ったことといい、胡散臭い、いや「きな臭い」状況だねえ。北京におわす、党中央の偉いさん周辺は。
【天津・工藤哲】中国天津市浜海新区で12日午後11時20分(日本時間13日午前0時20分)ごろ、大規模な爆発があり、国営新華社通信などによると、50人が死亡、701人が負傷した。国際物流センターにある企業「瑞海公司」の危険物倉庫でコンテナ火災が起き、消防隊員が現場に向かう最中に大きな爆発が2回起きた。地元当局は企業の責任者の身柄を拘束し、爆発した危険物の種類や保管状況などについて調べている。
中国地震局によると、2回目の爆発が強力で、威力はTNT火薬換算で21トン。死者のうち12人は消防隊員だった。
北京の日本大使館によると、届け出のある天津市の在留邦人は2400人だが、日本人が巻き込まれたとの情報はない。習近平国家主席は郭声�蓑公安相を現場に派遣した。
現場では13日午後6時(日本時間同7時)現在も黒い煙が立ち込めている。爆発地点から3~4キロ離れた場所でも建物の窓ガラスが割れていた。コンテナ集積場では周囲の道路は黒こげになり、コンテナは変形。付近には異臭が漂っていた。有害物質が含まれている可能性が高いことから、行き交う市民はマスクをしている。再爆発の懸念もあり、警官がメディア関係者らに立ち去るよう指示した。
現場から約10キロ離れた病院には、負傷した警官や、腕や額に傷を負った現場付近の住民が集まっていた。現場から約2キロ離れた自宅にいた範紀紅さん(45)は顔や腕に切り傷を負った。毎日新聞の取材に対し、「寝ていたら2度、大きな音が起きた。2度目の音が驚くほど大きかった。窓ガラスが部屋に飛び散り、体に降りかかってきた」と話した。自宅は爆風によって大破し、当局から退去するよう指示されたという。「いつ戻れるか分からない。家の補修はこれからどうすればいいのか……」と不安そうな表情を浮かべた。
現場から約2キロの場所には、大手スーパー「イオンモール天津TEDA」や、トヨタ自動車関連の研修センターがあり、いずれも窓ガラス破損などの被害が出た。
(8月13日 毎日新聞)
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