歌手が声を失うのって、つらいだろうな。ただ、耳は聞こえる。手も動く。才能と心は健在だ。音楽活動ができなくなったわけじゃない。
「私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います」
その通りだよ。新しい人生を歩き始め、そして、歩み続けて欲しい。
声帯がん治療のため療養していた音楽プロデューサー・つんく♂(46)が4日、母校・近畿大学(大阪府東大阪市)の入学式にサプライズ登場し、昨年10月にがん再発を公表後は初めて公の場に姿を見せた。新入生への祝辞の中で、声帯の摘出手術を受けた結果、声を失ったことを告白した。
式の終盤、司会から紹介されたつんく♂は左手を挙げて大歓声に応えながらステージ中央に登場。そのまま、後輩へのメッセージは大型スクリーンでの活字を通して伝えられた。
「なぜ、今、私は声に出して祝辞を読み上げることができないのか…」「それは私が声帯を摘出したからです」と説明。「去年から喉の治療をしてきていましたが、結果的に癌が治りきらず、摘出する他なかったから、一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」と赤裸々に胸の内を明かした。
「私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います」と決意表明した。
新入生に対しては「皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追究すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います」とエールを送った。最後の校歌斉唱はギター演奏で参加した。
つんく♂は昨年3月にがんであることを公表し、タレント活動を休止。同4月の同校入学式のプロデュースを初めて担当し、準備を進めていた。しかし、式当日は治療のため出席を断念し、映像で祝辞を寄せただけだった。その後、9月に一度は完全寛解と発表したが、約1カ月後に再発を公表していた。
コメントを残す