理研の石井俊輔氏が論文の改竄疑惑で調査委員長辞任な件について

 OKOK。公人の喧嘩はこうでなくてはな。「信じる信じない」の宗教論争や「出せるはず出せないはず」の憶測論争なんて、花拳繍腿。相手のスキをどう突いて、どう潰し、突かれた相手はどうやって損害を最小限に止め、どうやって次の反撃の下地にするか。こういう味のある丁々発止が展開されなくては、第三者は喧嘩の中身をジャッジしようがないというものだ。

 今回、石井俊輔氏というより守勢に回った理研は、この手のケースでは実にオーソドックスな、当たり前の対応を採った。小保方晴子陣営と同じ「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」という屁理屈を捏ね、その上で、論文の出版元にデータ訂正を申し出て認めさせ、更に実験ノートの内容を公開し、石井氏に「STAP細胞の論文不正の調査委員長」職を辞任させた。

 言うなれば、先週4/19の下記のエントリーで書いたような普通の方法を、理研は普通に採った。STAP&小保方問題とのチョンボの内容や「悪意」の違い、喧嘩の勝敗への影響はさておき、普通の対応を彼らは採った。やることをやって、想定敵よりも少しばかり先の手を打った。

理研改革委が「笹井芳樹氏の逃げ得は許さない」宣言な件について(2014/4/19)

 4/9の前の段階で、今回「出します」と言っている画像データをはじめとして具体的な物証を集めて、会見当日、小保方女史の未熟さも曝け出しつつ、科学者として開陳、自論展開させていれば良かったんだよ。この人たちは。「悪意があった不正じゃありません。私の未熟故です。ミスだということは科学者として確認済みです。コレ見てください!」ってな。

 小保方女史の不正疑惑なんて、本来は今回の石井氏の対応レベルで済む話よ。不正認定されたところで、普通は懲戒免職云々まで行かない話よ。それが、今月頭に小保方陣営が変に拗らせて、致命に至りかねない領域まで踏み込み、双方、引くに引けなくなっただけ。初手で科学者としてのルールに沿わずに振る舞い、無駄に「業界」からの信用を失っただけ。ついで、「業界」の信用を失わせただけ。芸能界やメディアでの彼女の価値は上がったかも知れないが、そんなのは本質的に何の意味もないよね。

 さて、今日の理研の処分で、ボールは再び小保方陣営に渡った。学者先生たちと世間からの宿題付きで。さあ、小保方女史と三木弁護士はどうする?先生のようにノート出すかい?データ出すかい?それとも、また時間稼ぎだけで、深みに嵌るかい?。さらに「業界」を道連れにして。

 小保方と理研。初手での愚行が祟りまくって、ここまで来ちゃった、この茶番。この数週間を振り返ってみて、ホント、バカバカしい限り。

 とりあえず小保方陣営は、この期に及んで、「理研に再調査を改めて求める」だけじゃ足りない。「あいつも悪いことやってんじゃん!」じゃ全然足りない。「自分たちは不正はやってない」で攻めるなら、今しかなかろ?。世論を煽って、理研にプレッシャーをかける以外にやれることがあるなら、ちゃんとやらないと。曲がりなりにも、石井氏は疑惑を認めて、即材料を出したぞ。

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 ぶっちゃけ、小保方、理研の順番で白旗上げて、ペナルティを受ける流れに変わりはない。昨日と比べて、騒動の延焼領域が広くなり、延焼時間が長くなっただけの話。しかし、安倍総理周辺は、TPPからこっちまで迷走続きだねえ。今年の夏は、靖国じゃなく川崎大師へ行くべきじゃね?。お祓いをしてもらいに。

STAP問題、理研調査委員長、辞任へ 自身の論文データに疑義

 新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で理化学研究所の調査委員長を務める石井俊輔・理研上席研究員らが執筆した論文に対し、インターネット上で疑義が指摘されていることが24日、分かった。石井氏は同日、産経新聞の取材に対し委員長を辞任する意向を明らかにした。

 この論文は乳がんを抑制するタンパク質に関するもので、平成20年に理研などのチームが英学術誌に発表。石井氏が責任著者の一人になっている。遺伝子を調べる実験結果の画像の一部を入れ替えた改竄(かいざん)ではないかとの指摘が出ていた。

 石井氏は取材に対し「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」と否定。その上で「疑義を指摘された以上、その部分を突かれると理研や委員会に迷惑をかける。調査委員長がこのような隙を作ってはいけない。不本意だが本日、理研に委員長の職を辞したい旨を伝えた。慰留されても意志は固い」と述べた。石井氏によると学術誌側も不正でないことは認め、訂正を承諾しているという。

 理研は2月中旬に調査委を設置。委員長の石井氏は分子遺伝学が専門で、16年に発覚した理研の研究者による血小板に関する論文不正の調査委でも委員を務め、改竄などを認定した。

 STAP論文をめぐっては、調査委から不正を認定された小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が不服を申し立て、再調査の実施と不正認定の撤回を求めている。責任者である石井委員長が自身の疑義で辞任の意向を固める異例の事態となり、一連の問題はさらに波紋を広げそうだ。

(4月25日 産経新聞)

 ここで「【MAD】ご注文は連装砲ですか?【ごちうさ×艦これ】」を紹介。


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今、某茶店でこのエントリー書いていたら、隣さんが某イベントのことを語りだした。羨ましいと思った。

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