「ネットに火種を投げ込んでいいのは、炎上する覚悟のある奴だけだ」 ~ 乙武洋匡や川越達也、そして小泉光男に欠けていた覚悟

権力、名声、門地、財産、支持者、取り巻きetc。現実社会では自分を守ってくれる「壁」となるこれらの要素は、ネットの世界では全くその機能を果たさない。何故か。

第一に、ネットの住民の大半はそれらの要素の利害関係者ではない。故に「現実社会での防御壁」の存在は無意味だ。第二に、ネットの住民の中にはそれらの要素を持たざるが故に、持つ者を喰らい尽くす攻撃性と貪欲さに溢れてる者がいる。彼らは、自分たちの満足感が満たされるまで、持つ者に喰らいつく。

乙武や川越を襲い、小泉を殺したネット住民が、第一・第二のどちらの属性かは、実のところ大した問題では無い。ただ、ネットイナゴに対して、金銭の提供や一般的な謝罪など、現実社会の利害関係者に有効な「殺虫剤」は用を成さない。彼らの活動は上記のように自分が満足するか、対象の「ネタとしての賞味期限」が尽きるまで続く。

そんな貪欲にしてカオスな世界に向かって、無自覚無用心に火種と燃料を投げ込むことは、愚者の無謀、あるいは「現実社会で守られている側の人間の傲慢」に他ならない。

ある意味、ネットの暴力性は極めて公平な存在だ。覚悟の無い愚者に対しては、分け隔てなく「喰らい尽くす対象」として認識し、ためらい無くそれを実行する。公平にして、実にシンプルだ。

その猛威に晒される覚悟の無い「持つ者」は、その覚悟と、彼らに対抗できる知恵や煽り耐性が身に付くまで、ネットで火遊びはするな。上記3名の「名士」のようになりたくなければ。つまりはそういう話。

6月25日。自戒を込めて。

岩手県議が自殺か=病院非難でブログ炎上―県警

25日午前5時ごろ、岩手県一戸町平糠の大志田ダム付近の川べりで、小泉光男県議(56)=盛岡市北山=が倒れ死亡しているのを県議のいとこが見つけ、県警二戸署に通報した。同署は自殺の可能性が高いとみて調べている。

県議は今月5日、自身のブログに、県立病院で受診した際に番号で呼ばれたとして「ここは刑務所か」などと書き込み、ブログが炎上。9日にブログを閉鎖し、記者会見で「取り返しのつかないことをした」と謝罪していた。

同署によると、県議はワイシャツにスラックス姿で着衣に乱れはなく、発見時には冷たくなっていた。

県議会事務局によると、21日までに県議の辞職を求める内容の電話やメールなどが762件寄せられた。小泉県議は同町を含む二戸選挙区選出で、当選1回。

(6月25日 時事通信)

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