多分、誰にでも一回くらいはあると思うんですが、神楽も自殺したくなった時があります。で、自殺願望の理由はともかく、死にたくなった時、次に考えちゃうのはいつも「どうやったら一番みっともない死体を晒さず、迷惑をかけずに死ねるか」でした。
首つりは、首が長くなるわ体中の穴が開いて糞尿垂れ流しになるわでどうにも嫌だ。飛び込みは、体がバラバラになるのが悲しいし、轢いた人だけじゃなく通勤通学の人何千何万人に迷惑かけるので申し訳ない。山中に入っての野垂れ死には、後で死体が半端に破損した状態で見つかるのは耐えられない。拳銃自殺は、頭半分吹っ飛ぶ姿は想像したくないし、そもそもどこで拳銃を買えばいいのかわからない。
そうなると、死体が比較的綺麗で比較的周りに迷惑かけない死に方ということで、ガスなり薬物での自殺が一番!という思考に至っちゃうんですよね。で、次により具体的な方法論に移るのですが、「睡眠薬は確実性が低い」「農薬は結構苦しんで死ぬし泡とか吹くのも嫌だ」「CO中毒は練炭や七輪買い辛くなっているし、その熱で死体の痛みが速いのも問題だ」「ガス中毒はガス漏れ引火で周囲に迷惑かけるかもしんない」「排気ガス引き込みは死体をカメラ小僧や野次馬に撮られる可能性があるので遠慮したい」…と、次々に面倒な点を想定してしまう。
そういうナルシストで世間体を気にして臆病な自殺願望者にとって、硫化水素ガス自殺ってのは、実に理想的な方法なわけです。本来は。死体は緑色になるとは言え綺麗だし、それなりの濃度で仕込めば苦しくないし、材料はすぐ手に入るし、死体発見時期を自分で決められるし、死体を衆人環視に晒されることないし、そして何と言っても、TOPを選んできちんと現場空間を密閉した上で関係機関に通報していれば、全くの第三者に迷惑かけることないし(最近は「失敗例」多いですけどね)。
近頃、硫化水素ガス自殺が増えているのは、メディアで取り上げられるなど「ブーム」になっているせいもあるでしょうが、単に自暴自棄になって死を選ぶというよりは、上記のようにより周囲からの評価を気にする「自己劇場完結型」自殺者が増えてきているからじゃないかなぁと思います。ついでに言うと「劇場型」「自己実現型」犯罪者が増えているのとも根っこは同じような気もします。悲劇の主人公としてであれ、暴虐の魔王としてであれ、みんな「自分が納得のいく評価を得られる」主役で人生終わりたいんだろうなあって。もちろん、統計とったわけじゃないのでなんとなくではありますが、自分がその立場だったら…と、ふとそう考えちゃうんですよね。
…え?だったら、自殺願望のあったお前は何故今生きているのかですか?。だって、死んだら次のクールのアニメ新番組を見れなくなるじゃないですか。うまいもの食えなくなるじゃないですか。一時のナルシズムに満足するより、満足したあとの損失の方が神楽には恐ろしいからですよ。死にたくなった時は、そういう風に考えるようにしています。無理やりにでも。
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