検索市場でグーグル独走 MS、ヤフー危機感 買収交渉不調、提携探る?

呉越同舟&同床異夢のM&Aが上手くいった例無し。つか、マイクロソフトにしろヤフーにしろ、今のグーグルの姿ってかつて自分達が通った道じゃん。

 【ワシントン=渡辺浩生】マイクロソフトによるヤフーの買収提案について、5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は消息筋の話として「交渉はもはや活発でない」と報じた。全面的な買収交渉は不調に終わる見通しが強まっている。ただ、急成長を続けるオンライン検索市場でグーグルの独走は許さないという両社の危機感は強く、事業提携やオンライン部門の統合などの選択肢は残されている。

米調査会社コムスコア・ネットワークスが発表した3月現在の米国オンライン検索市場調査によると1位グーグルのシェアは48・3%で前年同期から5・6ポイント上昇。2位ヤフーは27・5%で0・5ポイント減。3位マイクロソフトは10・9%と2・3ポイント減。グーグルとの差は開き続けている。

オンライン検索のシェアは検索結果に連動して表示されるオンライン広告収入に直結する。ユーザーに広告主が提供したい製品やサービスを効率的に結びつける仕組みが成功して急成長。米オンライン広告市場規模168億ドルのうち、4割は検索連動型が占め、米調査会社フォレスター・リサーチは、2010年までに116億ドルの市場に成長すると予測する。

グーグルは米リサーチ会社が選んだ今年の「最も影響力のあるブランド」の1位に選ばれ、マイクロソフトは3位とグーグルの後塵(こうじん)を拝した。オンライン広告大手ダブルクリックも先月、グーグルに31億ドルで先に買収され、マイクロソフトの危機感はピークに達した。米国出版者協会(AAP)の年次総会では「他人が作ったコンテンツに寄りかかっているだけの会社が広告や株式公開(IPO)で何億と稼いでいる」とグーグルへの対抗姿勢を強めていた。

マイクロソフトとヤフーを合わせたオンライン検索の市場規模は38・4%。グーグル追撃の格好は整う。1年前に物別れに終わった両社の買収交渉は、数カ月前から役員レベルで再開していた。

ヤフーは広告収益増を目指して新検索広告システム「プロジェクト・パナマ」を今年導入したばかりで、独自路線へのこだわりは強い。さらにヤフー経営陣にはマイクロソフトの軍門に下ることに拒否反応がある。

しかし、ウォールストリート・ジャーナルは事業提携のほかマイクロソフトのオンライン部門を分社化してヤフーと統合する選択肢も残されていると指摘している。

(5月6日 産経新聞)

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