【ニューヨーク30日時事】現代資本主義の病理に鋭い分析を加えたことで知られる米国の代表的経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイス氏(ハーバード大名誉教授)が29日、マサチューセッツ州ケンブリッジの病院で死去した。97歳だった。
カナダ生まれ。「不確実性の時代」や「大恐慌」などベストセラーを多数著し、日本でも広く知られた。主要著書の「ゆたかな社会」(1958年)では、企業の広告・宣伝で物を買っても買っても満たされない精神的欠乏がかつての貧困に取って代わるという「依存効果」理論を提起するなど、「現代資本主義の病理」を鋭くえぐった。
(時事通信) – 4月30日
非難を恐れずに言えば、体系だった理論やモデルの精査は二の次で、語りたい事だけを語ったガルブレイス氏は、経済学者ではありません。良くも悪くも政治とメディアによって作られた「時代の寵児」あるいは「異端児」です。
しかし、同時に彼が文字通り「知の巨人」であり、「ロジックを超越した天才的伝道者」であったことは間違いありません。彼は学者ではありませんが、下手な学者よりも経済の本質を理解していた偉才であったことは間違いありません。
故に百年後、彼のロジックは忘れ去られても、彼の存在と発言は忘れ去られることは無いでしょう。神楽はそう確信します。その想いを込めて、合掌。
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