B787のLi-ionバッテリーの設計変更へ ~ ボーイングの改善案じゃ今回の問題は解決されない

 一連の電池ボヤ事故は、Li-ion二次電池のセル部分の耐久性を高めても、根本的な問題解決にはならない。電池の充放電を管理するBMS/BMUが、8個のセルの充放電サイクルとその電力量を平準化できていない限り、必ずどれかのセルに負担がよって、劣化が急速に進み、また火を噴く。

 熱伝導を抑えるとか機体の火災を防ぐとかいうのは、それこそ暫定的な措置でしかない。今、B787に積んでいるLi-ion二次電池は、BMS/BMUも含めての欠陥品であり、それを改善できない限り、時間の長短の差があるだけで、これまでと同じ事故は必ず起こる。

B787、バッテリーの設計変更 運航停止は長期化へ

 【工藤隆治】ボーイング787型機のトラブルで、国土交通省は28日、ボーイング社がバッテリーシステムの設計変更を含む改善策を示したと明らかにした。リチウムイオン電池を使ったバッテリー本体と、充電器などの設計を見直す内容。設計変更には米連邦航空局(FAA)の承認が必要で、運航停止の更なる長期化は確実になった。

 ボーイングの民間航空機部門のレイモンド・コナー社長が同日、太田昭宏国交相を訪ねて説明した。コナー社長は会見で「示した改善策は暫定的ではなく、恒久的な措置だ」と述べた。

 国交省によると、ボーイングの改善策はFAAに示した内容と同じで(1)バッテリー内に8個ある電池一つ一つの発熱を防ぐ(2)発熱しても隣の電池に熱が伝わるのを防ぐ(3)複数の電池が発熱しても機体の火災や煙の充満につながらないようにする――というもの。

(2月28日 朝日新聞)

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