遅きに失した「第三極」としての石原新党立ち上げな件について

 「たちあがれ日本」と「日本維新の会」の呉越同舟な船出を強行しようとしているのが、まず致命的。加えて、民主党その他からの脱落組を組み入れようってのが大間違い。世論からのシンパシィは決定的に得られない。そしてトドメが、政権公約の取りまとめ。どうすんの?。今のままじゃ絶対まとまんないか、玉虫色の詐欺フェストのどっちかだ。世間は「自民にも民主にもなれない両生類政党」と見做して終わりだよ。それでいいの?。

 ざっと10ヵ月、いや半年遅かったんだよなあ。「第三極」構想って。昨日のエントリーでも少し触れたけど、年内の解散総選挙はほぼ確実に実施されるね。今週末から来週頭にかけての特例公債法案を巡る駆け引き→成立で6割、衆院の定数是正問題→「0増5減」の手打ちが終われば9割の確率で、野田総理はその代償として衆院解散に踏み切る。「第三極」が体制を整える時間はもうないよ。

石原新党13日に立ち上げ 民主議員からも入党希望者

 石原慎太郎前東京都知事とたちあがれ日本は12日、石原氏を代表とする新党を13日に立ち上げることを決めた。新党に参加する国会議員は、結成時にはたちあがれ所属の5人となる見込み。ただ、今年7月に民主党を離党した中津川博郷衆院議員らが近日中に合流する方針だ。たちあがれ幹部によると、ほかに民主党所属議員からも入党希望が来ている。

 新党は、次期衆院選で、数十人の候補者の擁立を目指し、自主憲法制定や国の会計の複式化などを主要政策に掲げ、官僚支配の打破と「強く、したたかな日本づくり」を訴える。同時に、橋下徹大阪市長が代表を務める日本維新の会と合併を視野に入れた連携協議を進め、15日も維新と政策協議を行う。

(11月12日 産経新聞)

 石原閣下は「第三極」で100議席以上の獲得を目指すと言ってるけど、無理ね。今の基盤集票力+α程度じゃ、いいとこ60~70議席だよ。惜しいけど、この数じゃ来年早々からの「安倍総理・自民党政権」では、キャスチング・ボートは狙えない。行く末は「草刈り場」でジ・エンド。これもこないだ書いた通り。政局的な安定感を期待できる展開ではあるが、個人的には詰まらんなあ。

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これが本人じゃないですと?はっはっは、そんなまた御冗談を。

6 件のコメント

  • はじめまして!
    選挙や政界の分析がいつも的確で、興味深く読ませてもらっています。
    次の総選挙で第三極が伸びないだろうとの予想は、私も同感ですが、自民党や民主党はどうでしょう。自民党は単独過半数いけそうですか。ご意見を聞かせてください。

  • >SAM様

    コメントありがとうございます。

    自民と民主の予想ですか。とりあえず、本エントリーで
    前提にした比例制度現状維持の定数480名で考えると、
    自民党は単独過半数行きますよ。軽く。
    安倍-石破体制が予想外に機能してるんですよね。
    ちょっとビックリ。

    公明党の20名ぽっちがいらない位、議席取れそうなんで
    自民党はこれを機に縁を切ればいいのにと思うんですが、
    まあ、さすがにそれは無理なんでしょう。

    民主党については、私の仲間内でも意見が分かれてます。
    とりあえず、100名行けば御の字じゃないでしょうか?。
    私はもう少し辛目で80-90名と踏んでますけど。

    取り急ぎ私見を挙げさせて頂きました。
    もし、もう少し細かい議論をご希望でしたら、
    メールでも大丈夫です。
    それでは今後ともよろしくお願いします

  • 横から失礼します。第三極は伸びないとのことですが、第三極への国民の期待を過少評価していませんか。日本維新の会や大陽の党にみんなの党や国民の生活が第一が合流すれば、第三極は民主党を越えて第二党になれると思いますよ。

  • >みきりん様

    コメントありがとうございます。第三極への期待の程、理解させて頂きました。ただ、今回予定されている解散総選挙において、第三極各党の強固な合流は期待できないと考えています。

    まず、「維新-太陽」と「生活」の合流は政策的にも人間関係的にもありえません。特に「生活」には石原氏にとって心情的に最も距離の遠い、鈴木宗男@新党大地というコブがすり寄っているのでなおさらです。

    次に「維新-太陽」と「みんな」の接近も難しいです。半年ほど前でしたら、まだその可能性はありましたが、当時、橋下氏と渡辺氏の関係がこじれた上にその後の維新の内情が知れ渡るにつれ、渡辺氏が意識的に維新から距離を置いています。石原氏が間に入るとしても、ちょっと関係改善は難しいでしょうね。

    ここで誤解して頂きたくないのは、第三極として中小政党や有力野党が合流することが無意味と申し上げているわけではないと言うことです。明確な目標を以って合流し、大政党や与党の切り崩しを行い、有権者のシンパシィを得られる代表を押し立てれば、あるいは、それらをコーディネートできるオピニオンリーダーがいれば、第三極が単なる寄り合い所帯ではなく、連立与党の素地となることだってありえます。93年の細川連立政権の成立は、その好例だと考えます。

    ただ、今の第三極関連政党には、それに必要な全ての要素が欠けています。時間も無い。民主党に替わって第二党に就くことは無理です。これはある意味、国民にとって残念なことではありますけどね。

    蛇足ですが、ついこの間まで私も参加していた、2ちゃんねるのアニメ最萌トーナメントという人気キャラ投票イベントで、第三極が採るべき選挙戦術「小異を捨てた派閥の大同団結による有力対抗勢力の徹底的な駆逐」「自陣営の戦力の合理的な取捨選択による戦況の最適化」で、ある作品のキャラクターが優勝しました。当然優勝したのは第一派閥の代表キャラです。

    合理的な集合行動が意識的に起きていたかどうかなど、実際の国政選挙とは前提条件が異なる点も多いですし、「作品よりキャラを応援したい側の」参加者からすると萎える内容ですが、社会心理学的に投票行動を分析する上ではいい教材です。もし今後も第三極としての政治勢力を推されるご予定でしたら、弊ブログにトーナメントの流れが残っていますので、参考までにご一読下さい。

    それでは今後とも宜しくお願い致します。

  • >通りすがり様

    コメントありがとうございます。

    ご指摘の点ですが、サンプリングの段階でよほど偏向して無ければ、この手の投票行動の分析って手法的にあんまり変わらないんですよ。統計学的にもミニマム150のサンプルがあれば十分ですし。ですので、あくまでも「勝つための投票行動」の教材として、先の最萌トーナメントを挙げさせて頂きました。

    むしろ実務上と言いますか、当事者にとって重要なのは、投票行動や結果が参加者や組織、社会に与える影響についての判断でしょうか。参加者の投票行動が投票イベントの趣旨に沿っているか。投票過程や結果が有権者や社会・コミュニティに資しているか。投票システム自体は適正でも、関係者に与える影響がネガティブな場合はどうシステムや負的要素を改善すべきか。

    これらの観点から観れば、確かに総選挙とアニメの人気投票は、その目的もさることながら関係者への影響という点で全く違います。先の私のコメントについては、その点ご理解頂いて読んでもらえれば幸いです。

    それでは今後とも宜しくお願い致します。

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