色々な不幸が重なった福島原発事故な件について

 「未曾有の大地震が」「老朽化していた原子力発電所を直撃し」「非常事態への対処能力に欠けていた電力会社が混乱」「モノと優先順位を知らない当時の政権と能無し与党が混乱を助長し、止めを刺した」。何と言う超不幸コンボ。

 震災直後は非常事態故の寛容さで、当時の民主党&菅政権を見守っていた時期もあったけど、改めて観るとやっぱり今回の事故って、半分以上人災だよなあ。

「情報来ない」「もういい」…菅氏の混乱指摘

 「福島原発事故独立検証委員会」が27日、民間の立場から公表した東京電力福島第一原子力発電所事故に関する報告書では、菅首相(肩書は当時、以下同)の指揮の問題点や、政府の危機管理の不十分さが数多く指摘されている。

 報告書は首相官邸の初動対応について、「(昨年3月)15日に対策統合本部が設置されるまで、菅氏に対する原子力災害時のマニュアルや関連法制について事務的な説明が一度も行われなかった」と指摘。首相秘書官らが六法全書のページを慌ただしくめくりながら、原子力災害に関する基本法制を一から確認していたことを明らかにした。

 菅氏の官僚に対する対応のまずさも記されている。

 菅氏が「全然俺のところに情報が来ないじゃないか」といら立ちを表明するたびに、関係省庁が大急ぎで説明資料を作成し、報告に上がろうとするが、説明を開始してまもなく、「事務的な長い説明はもういい」と追い出されるパターンの繰り返しだったとしている。

 菅氏は官僚不信を強め、個人的な人脈を頼って携帯電話で外部有識者から情報を収集。官邸スタッフには菅氏とブレーンの携帯電話でのやりとりの内容が明かされず、スタッフの1人は「何の責任も権限もない人たちが、密室の中での決定に関与するのは問題だ」と証言。枝野官房長官も「常に(任命を)やめた方がいいですよと止めていた」と明かしている。

 報告書は、東電による原発からの撤退申し出を拒否したことや、東電本店に乗り込んで対策統合本部を設置したことを例に、菅氏の行動力や決断力について、評価もしている。

(2月28日 読売新聞)

官邸の介入、リスク高めた=前首相ら300人聴取―民間事故調報告書・福島原発事故

 東京電力福島第1原発事故で、民間の「福島原発事故独立検証委員会」(民間事故調、委員長・北沢宏一科学技術振興機構前理事長)は28日、「首相官邸の現場への介入が無用の混乱と、事故がさらに発展するリスクを高めた」などとする事故報告書をまとめ、野田佳彦首相に提出した。

 民間事故調は昨年9月に設立。菅直人首相(当時)ら政府首脳を含む約300人にヒアリングし、400ページを超える報告書にまとめた。東電の清水正孝社長(同)や吉田昌郎同原発所長(同)ら同社幹部の聴取も要請したが、東電側から拒否されたという。

 報告書は、地震と原発事故の複合災害に対する備えがなく、東電や経済産業省原子力安全・保安院の初動対応に問題があったと指摘。助言を求められた班目春樹・原子力安全委員長が「水素爆発は起きない」と答えた直後に、1号機の原子炉建屋が爆発したことなどから官邸が不信感を募らせ、過剰な現場介入につながったとした。

 こうした介入について、報告書は「稚拙で泥縄的な危機管理で、災害の拡大防止に役立ったとは言えない」と批判。「無用な混乱を引き起こした可能性は否定できない」とした。

 その一方、3月14日に清水社長が行った撤退の申し入れについて、「全面撤退ではなく、必要な要員の撤退」とする東電の説明を「十分な根拠がない」と疑問視。申し入れを拒否し、同15日に東電本社に統合対策本部を設置した菅氏の判断は評価した。 

(2月28日 時事通信)

 「どんな精緻なシステムもその成果は運用する人間次第」とはよく言われるが、つくづく日本型組織ってのは、現場から離れれば離れるほど間抜けになるよなあ。

 ここで「【MAD】境界線上へと至る道【境界線上のホライゾン】」を紹介。


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本作は色んな意味でもっと評価されるべき。

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