政権戦線異常有り~仏国編

 滑り出しは良かったものの、最後に馬脚を現して自滅した「ヒスと強気の区別も付けられないお馬鹿サン」ロワイヤル。選挙戦終盤のテンパリぶりとか、みっともない以上に痛々しくて見てらんなかったですね。

 一方、彼女への比較優位と移民暴動以来右傾化が進む風潮を追い風に次期大統領に当選したのが、「2000年前より退化している欧州版ポピュリズムの申し子」サルコジ。このオッサンも大概底の浅い御仁だなあと思っていたら、案の定、当選後悠長かまして豪華旅行in地中海に行ってたのを、手負いの左翼陣営+αから「金持ちとばっか仲良くしやがって!」「贅沢だ!」とバッシングの十字砲火の標的に。

 ここで「休暇取得の権利を行使して何処が悪い!」と強気に出ればいいものを、そそくさと尻尾巻いて帰国。なんて言うか「サルコジのおっさん。あんた、ロワイヤル以上の阿呆だね」。大衆に迎合するしか能のない二流アジテーターの底を早速晒すとは…この先5年のフランスの行く末が、他国ながら心配です。

【フランス】新大統領にサルコジ前内相

 フランスの新大統領は与党・国民運動連合(UMP)党首のニコラ・サルコジ前内相(52)――。6日に投開票が行われた大統領選挙の決選投票で、社会党が擁立した女性候補セゴレーヌ・ロワイヤル元環境相(53)を破り、同氏が初当選を決めた。雇用規制の緩和など競争重視の経済政策を推進する見通しだ。

 1995年以来12年にわたってフランスを統治してきたシラク大統領(74)の後任を決める今回の選挙に国民の関心は高く、内務省が発表した最終結果によると投票率は83.97%に達した。サルコジ氏の得票率は53.06%で、ロワイヤル氏の46.94%に6ポイント余りの差を付けた。

 

 6日夜、パリ市内で勝利宣言したサルコジ氏は「すべてのフランス人の大統領になる」と強調。選挙戦で互いに激しい応酬を繰り広げたロワイヤル氏の支持勢力に融和を呼び掛けた。

 

 同氏は2005年に移民系の若者による暴動が全国に広がった際、内相として厳しい対応を取ることで急速に支持を高めたが、自らもハンガリー移民を親に持つ。「フランスは私にすべてを与えてくれた。今こそ、私がフランスに恩返しをする時」と抱負を述べている。

 

 一方、同国で女性として初めて決選投票に進出したロワイヤル氏は敗北を認め、自身に投票した約1,700万人の有権者に感謝を表明。「私は自分のエネルギーを(選挙戦に)すべてつぎ込んだ」とし、「今後も(政治活動の中で)それを続けていく」と決意を新たにした。そのうえで勝者のサルコジ氏に「全国民のために働いてもらいたい」とエールを贈っている。

 

 ■各地で暴動騒ぎ

 

 この夜、サルコジ氏にアレルギーの強い移民系の若者などは各地で抗議行動を展開、一部は暴徒と化した。約1,500人が終結したパリのバスチーユ広場では「サルコジはファシスト」との叫び声とともに、警官隊に瓶や石が投げつけられた。リヨンやマルセイユ、ボルドーなどでも同様の騒ぎが起きている。

 

 サルコジ氏は2012年までに現在8.3%の失業率を5%未満まで低下させる公約を掲げる。見直しを主張してきた週35時間労働制については撤廃はしないものの、残業手当を課税対象から外すことで勤務の長時間化を促す方針。またストの最中でも鉄道の運行を可能とする法律を制定する考えだ。

 

 こうした改革の実現に向けては、来月10日と17日に行われる国民議会(下院)選挙が試金石になるとみられる。なおシラク大統領からの権限委譲は16日の予定で、新首相にはサルコジ氏の政治顧問を務めるフランソワ・フィロン氏の就任が有力視されている。

(5月8日 NNA>

<サルコジ次期仏大統領>「あまりに華美」メディア一斉批判

 【パリ福井聡】地中海の保養地マルタで休養を楽しむサルコジ次期フランス大統領(52)一家に対し、仏メディアは9日、「あまりに華美だ」と一斉に批判した。サルコジ氏は10日に帰国の予定だったが、側近は同氏が1日繰り上げて9日に帰国すると表明した。

 AFP通信によると、サルコジ一家をパリからマルタに運んだ自家用ジェット機とマルタの豪華ヨット(全長60メートル、推定賃料週20万ユーロ=約3240万円)は、サルコジ氏と親しい投資会社社長でメディア事業も手がけるボローレ氏の所有。サルコジ氏の一部財界人との親しい関係が改めて明らかになった形だ。

 選挙戦で社会党のロワイヤル候補は「サルコジ氏は特定企業やメディアとの関係が強すぎる」と批判していた。

 9日付仏各紙は「サルコジ氏の旅はギャンブルで当てた成り金の趣味。だが、大統領当選はギャンブルではない」「当選演説ではつつましかったのに豪華ヨットはイメージを変えた」「サルコジ氏は『金と華美が成功のシンボル』という米国流の最初の大統領だ」などと痛烈に批判した。

 一方、6日夜から始まった「反サルコジ騒動」は規模は縮小したが8日夜も続発した。8日夜の騒動は、仏警察によるとパリ東部バスチーユ広場150人、南東部リヨン200人、南部トゥールーズ60人など。また、パリ南郊のグリニーでは移民系若者が警官に火炎瓶を投げつけ、警官2人が負傷した。

 騒動の多くはサルコジ氏当選に反発する極左政党の支持者によるもので、治安当局は騒動が郊外の移民系若者に広がることを懸念している。

(5月9日 毎日新聞)

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