停戦合意 ~ それでも、イスラエルのガザへの地上侵攻開始は時間の問題だと思う

 今回の合意は、「イスラエルvsパレスチナ自治区」ではなく、「アメリカvsエジプト(+イランその他反米イスラム諸国)」による、第1ラウンドのジャブの撃ち合いの結果でしかない。

 首の皮一枚で生き延びたハマスが、コレで調子に乗ってエジプトやイランからの支援を受けて、活動再開したりしたら、今度こそ、イスラエルは本気になるぞ。そして、過去の経緯を見る限り、その可能性は高い。

イスラエルとハマス、停戦合意…地上侵攻は回避

 【カイロ=貞広貴志】1週間にわたり戦闘が続いていたパレスチナ自治区ガザ情勢で、イスラエルと、ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスなど武装勢力は21日、停戦合意に達した。両者の調停に当たっていたエジプトのアムル外相が同日、現地時間の午後9時(日本時間22日午前4時)時点で戦闘停止の合意が成立したと発表した。

 イスラエルが実施するとみられていた地上軍侵攻は、ひとまず回避された。

 合意は、〈1〉イスラエルは、暗殺を含めガザに対する陸・海・空からの戦闘行為を停止〈2〉ガザのパレスチナ諸勢力は、イスラエルに対するあらゆる武力攻撃を停止〈3〉停戦発効から24時間後に、イスラエルが実施しているガザ封鎖の緩和などについて協議――を主な内容としている。

 現地からの報道によると、停戦発効後もガザからの散発的なロケット弾攻撃などは続いているが、22日未明(同午前)現在、死傷者は出ていない模様だ。

 アムル外相とともに21日夜、カイロで記者会見したクリントン米国務長官は、「エジプトの新政府は、地域の安定と平和の礎として果たしてきた責任と指導力を発揮した」と述べ、イスラム主義組織、ムスリム同胞団主導のモルシ政権を称賛した。停戦合意に当たり、クリントン長官も、イスラエルのネタニヤフ首相やパレスチナ自治政府のアッバス議長、モルシ大統領らと個別に会談し、エジプトの調停案受け入れを働きかけていた。

(11月22日 読売新聞)

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