今回の北方領土事件と尖閣諸島事件の根は一緒。

 民主党政権の「戦略無き素人外交」のお粗末さが露呈し、それによる日米関係の弱体化が見透かされ、「国内保守派向けアピール材料としての領土問題想起」という一石二鳥の形でその実態を試された結果が、この二つの事件だ。とりあえず、昨日のメドベージェフ大統領の国後島訪問を止められなかった点はともかく、その前段階で空手形を連発し、その実何も動かなかったために「日本外交論ずるに足らず」とロシア政府に認識せしめた鳩山由紀夫前首相は、もう二度と外交の世界に口を挟むな。

露大統領、北方領土を訪問…歴代元首で初

 【モスクワ=山口香子】ロシアのメドベージェフ大統領は1日、北方領土の国後島を訪問した。

 ロシア、旧ソ連の最高首脳による訪問は、1945年に旧ソ連が北方領土を不法に占拠して以来初めて。日本側は訪問を見合わせるよう求めていたが、大統領は訪問で北方領土の実効支配を誇示し、「領有権」をあらためて主張した。日露の領土交渉は一段と複雑化し、経済を含む両国関係全体への悪影響は避けられない。

 メドベージェフ大統領は1日午前10時すぎ(日本時間同9時すぎ)、サハリンのユジノサハリンスクから国後島のメンデレーエフ空港に専用機で到着。中心都市の古釜布(ふるかまっぷ)(ユジノクリリスク)近郊で、ロシア政府が整備した地熱発電所などを視察した。タス通信によると、大統領は移動の際、自分で車を運転した。

(11月1日 読売新聞)

 しかし、この件についていけしゃあしゃあと↓のようなコメントを出す中国。図太いと言うか何と言うか。

「民主党は政権失う可能性、素人外交」中国TV

 【北京=佐伯聡士】中国中央テレビは1日夜、報道番組「東方時空」で、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問したことに関する特集を放映し、「(日本の)民主党は政権を失う可能性がある」とする同テレビの馬暁霖特約評論員の論評を伝えた。

 馬氏は「この件を通して、菅政権が外交の素人であることがさらに証明された。この1年余り、民主党政権は普天間基地のため米国との関係が行き詰まり、領土問題をめぐりアジアの隣国との関係が混乱した」と批判。また、「北方4島をめぐってロシアとの関係が徹底的に損なわれれば、すでに30%台に落ち込んだ支持率の回復は非常に難しくなる」「米国を怒らせ、アジアの国との関係が行き詰まった後、ロシアとの交渉の余地が失われた場合は、かつてないほど孤立し、民主党が早めに政権を失うことになる」などと指摘した。

(11月2日 読売新聞)

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