世界最速スーパーカーが EV計画

 慶大のスーパーEV「エリーカ」発表から、もう5年も経つんですなぁ(しみじみ)。「充電時間10分は充電率何%まで?」とか、「リチウムイオン二次電池の安全性はどうなっているの?」とか、まだ不明瞭な部分も多いこの記事ですが、全体的に見て「高速型EVの完成度もついにここまで来たか!」って感じのグッド・ニュースですね。

 

 特に「AESP」のコンセプトが素晴らしい。実際にカタログ通りのスペックで量産できるかどうかはともかく、もし1ユニット約50万円なら、今のEVの相場から考えると「AESP」搭載型EV1台の価格は約100万円台に落ち着くことが予想されます。ほとんど軽自動車並みですね。

 もちろん、この手のニュースは話十分の一位で聞いておいた方が無難ですし、時期的に考えて微かに「政治的」な臭いもします。ただ、ホンダの8耐撤退も含めて暗いニュースばかりの最近の自動車業界では、久しぶりに「夢」の見れるお話。SSC社には是非頑張って事業化を進めて欲しいですね。最後に勝つのは日系メーカーですけど(笑)。

米国のシェルビースーパーカーズ(SSC)社は21日、『アルティメットエアロEV』の投入計画を明らかにした。ガソリンをいっさい使わないピュアEVで、『アルティメットエアロ』が2008年に記録した最高速434km/hを上回る性能実現を目指す。

SSC社は米国ワシントン州に1999年に設立。2007年にスーパーカーのアルティメットエアロを発売した。ミッドシップにはGM製の6.3リットルV8ツインターボを搭載。最大出力1183ps、最大トルク151.3kgmというモンスターで、0-96km/h加速2.78秒、最高速度434km/hを達成。文句なく世界最速の量産車である。

アルティメットエアロEVではエンジンに代えて、「AESP」(オール・エレクトリック・スケラブル・パワートレーン)を採用。2次電池としてリチウムイオンバッテリーを搭載し、充電時間は110Vコンセントでわずか10分。最大航続距離も約320kmと実用的だ。

AESPは充電時間が短いだけでなく、小型軽量、大出力化が可能などの特徴を備える。モーターの最大出力は200psが基本。電磁特性を変更することで、ピックアップトラックやSUV用には、最大出力を500psまで高めることができる。

さらに、大型トラックや軍用車など、過酷な使用が想定される車両には、モーターを2個搭載。この時のトータル出力は1200psに達するという。おそらく、アルティメットエアロEVには、この1200ps仕様が搭載されるはずだ。

SSC社はこのAESPを大手自動車メーカーにも納入する方針。同社はそのコストについて、「1000-1万ユニット規模で量産できれば、1個当たりのコストは5000 – 6000ドル(約45万 – 54万円)まで下がる」と試算している。AESPの大きさはエンジンの約18分の1とコンパクト。そして単体重量も約90kgと軽い。車両デザインの自由度を高める意味でも、自動車メーカーから注目される可能性は高い。

アルティメットエアロEVは3-6月に公開予定。世界最速のスーパーカーは、「世界最速EV」の称号も手に入れることになりそうだ。

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