一番得をしたのは誰?in人材派遣/請負業界 12/21-22

 リクルートへのスタッフサービスの身売りに続いて、グッドウィルの事業停止処分発表と、年末立て続けに激震が走った人材派遣/請負業界。個人的には「これから暫く業界の人(特にGW関係)大変だなあ」という率直な感想以上に、「あいつら巧くやったよなあ」というシニカルな想いあり。

 前者はスタッフサービス現経営陣特にオーナーでもある岡野保次郎会長、後者は今回の処分前にGW傘下に入ったクリスタル旧経営陣特にオーナーでもあった林純一氏に対して。前者はこれまでの無理な事業拡大が祟って経営基盤ガタガタ、IPOの芽も消えて一番逃げ頃のところでリクルートに会社を売却。後者は○○○をバックに業績を拡大していた実態が表面化、IPOの芽も消えて一番逃げ頃のところでGW系ファンドに会社を売却。御両者ともケツのまくり方が見事!と言うべきか。尊敬なんぞしてやらんがね>特に後者&GW。

 スタッフサービス&リクルートはともかく、GW(というかでぽちん折口氏)には早々の「表舞台からの退場」を希望していた神楽ですので、今回の決定は基本的にウェルカム。ただ、彼らが「ホンボシ」の踏み台/世間からの追究の盾にされたことも重々承知しているので、このままfinってのもおさまりの悪い話ですな。まあ、そのおさまり悪い話のままで終わる事こそが、今回の一連の騒動で一番得をした人間の望むところなんでしょうけど。

グッドウィル、事業停止へ=違法派遣で厚労省方針-来月にも処分

 グッドウィル・グループの子会社で、日雇い派遣大手のグッドウィルに対し、厚生労働省は22日までに、事業停止命令を出す方針を固めた。グッドウィル・グループが同日、処分の予定について、東京労働局から通知を受けていたことを明らかにした。派遣が禁止されている業務への違法な派遣が複数の事業所で行われていたことが、厚労省の調査で判明したためとみられる。全国の事業所を対象に来月にも処分を出す見通し。

 グッドウィル・グループによると、事業停止命令は、浜松北支店など89事業所が4カ月間、その他が2カ月間。これと併せて事業改善命令も出される。グッドウィルが来年1月8日までに弁明書を提出した後、処分が決定する見込み。同グループでは、もう1つの事業の柱だった訪問介護のコムスンも不正行為で行政処分を受け、事業から撤退したばかり。相次ぐ不祥事は経営陣の責任問題にも発展しそうだ。

 グッドウィルは2005年6月、建設業務への違法な派遣で東京労働局から事業改善命令を受けたことがある。今年に入ってからも、派遣先企業を経由してさらに別の会社に労働者を派遣する違法な「二重派遣」を行っていた疑いが浮上。厚労省が調査を進めたところ、複数の事業所で違法な派遣が判明したという。 

(12月22日 時事通信)

スタッフサービス買収を決定=人材事業で突出の首位に-リクルート

 情報・人材サービス大手のリクルート(東京)は21日、人材派遣最大手のスタッフサービス・ホールディングス(HD、東京)の株式の80.14%を今月28日付で取得し、子会社化することを決めたと発表した。得意とする求人広告事業に加え、製造業への派遣などで実績を持つスタッフサービスを傘下に収めることで、総合人材サービス事業を抜本強化する。

 今回の買収により、リクルートが手掛ける求人や人材派遣など人材関連分野の売上高は約7900億円に拡大する。買収以前の4673億円(2007年3月期)に比べ7割の増加で、この分野で2位のパソナグループ(07年5月期・2312億円)を大きく引き離し、国内で突出した首位に立つ。子会社化後も「スタッフサービス」の社名は変更せず、人材派遣子会社同士などグループ企業間の再編も行わない。 

(12月21日 時事通信)

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