ネットカフェと脱法ハウスのどちらに「住みたいか」な件について

 法的に許される範囲で「長期滞在」が認められているネットカフェ。違法で劣悪な環境だが「居住」できる脱法ハウス。

 娯楽設備もあり、飲食設備もあるネットカフェ。必要最低限の設備も無いが、プライベート空間は確保できる脱法ハウス。

 結局、ユーザー側のニーズ次第だと思うんだよね。どっちを選ぶかは。あと、「ネットカフェ」生活になじめず、脱法ハウスの方を望む低所得者層を、脱法ハウスは違法な存在だからと、ダンボールハウスへと追いやることが社会的に正しいのかという点。

 こういう場合、普通は法の方が現実に歩み寄る。ただ、ここで問題になるのは安全性。放火犯に燃やされたビデオルーム店や、歌舞伎町で大量の犠牲者を出した風俗ビル火災の件を上げるまでも無く、狭い空間に人が密集しているところで火事や災害が起これば、テナントビルだろうと商業施設だろうとラブホテルだろうと、そして脱法ハウスだろうと、人は死ぬ。

 であれば、優先すべきは「脱法ハウスの存在を法的に認める替わりに、一般のテナントビル並みの防火安全設備の設置義務付け」だろう。これまで、日本では、法的な存在を認めた公共施設の防火対策や設備の不備で、大量の人間が死んできた。それは、「建築基準法や消防法に準拠した建物」というお墨付きに甘えた、所有者や法的管理者の怠慢の結果以外の何物でも無い。

 結論。脱法ハウスの存在は、早急に認めろ。次に、同施設の安全管理義務と必要設備の設置については、厳格に定義し実施させろ。必要な補助金も出せ。この順番を間違えなければ、少なくとも、不幸になる人間が増えることは防げる。

<脱法ハウス>生活困窮者層のニーズが大きい現実

 入居時の初期費用を安く抑え、保証人は求めず、利用料(賃料)は光熱費込み--。こうした「脱法ハウス」への低所得層のニーズは大きい。職探しは住所が無いと不利にもなる。住民登録を受理する墨田区窓口課の幹部は、言外に「救済」のニュアンスもにじませた。だが、こうした施設は安全上必要な工事や設備を省いたリスクの上に成り立っている。専門家は「本来は国や自治体が住宅政策によって受け皿を準備すべきだ」と指摘する。

 困窮者支援を続けるNPO法人「もやい」の稲葉剛代表理事によると、東京都のネットカフェ規制条例が施行された2010年以降、シェアハウスやレンタルオフィス、カプセルホテル、路上などを行き来しながら暮らす相談者が増えてきた。「『路上一歩手前』の人々がいろんな場所に拡散し、どこにいるのか見えにくくなっている」と話す。

 都心ですらビルや大きな民家の空きが目立っている。うまみのある「脱法ハウス」の拡大も予想され、法令整備は急務だ。しかし、住宅政策できちんとした受け皿を作らず、建築物への消防や自治体の規制のみを強めれば、困窮者の再起の機会を奪いかねない。

 稲葉氏は「多くの自治体では、公営住宅に高齢者が優先的に入るため、働く世代の単身者は排除されている」とセーフティーネットの貧弱さを指摘。「住まいではないとされる場所に多数が暮らしている。国や自治体はこの現実を直視することから始めるべきだ」と注文する。

(6月9日 毎日新聞)

 もちろん、こういう商売には反社連中はじめ胡乱な輩が既に入り込んでいる。そいつらをどう段階的に排除しながら、「合法ハウス」を増やしていくか。そこにこそ、官僚の杓子定規な仕事ではなく、政治的な判断がモノを言う。もやいの妄言に乗ったり、「年越し派遣村」イベントに便乗するような醜悪なものではなく、もっと地に足の着いた判断と行動力がな。

 ここで「だんご3兄弟を歌ってみた♂ [いさじ・recog・海斗]」を紹介。


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最初から悪い予感しかしなかった。でも貼る。

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