「琴浦さん」第12話(最終話)「伝えたい言葉(ココロ)」感想 ~ 「ココロは言葉にして伝えよう」

 たとえ、自分に人の考えを読める超能力があったとしても。否、超能力の有無とは関係無しに、ココロは言葉にして伝えよう。

 ココロを届けたい人には言葉を通して伝えよう。たとえ、相手がかつて自分を捨てた母であっても、自分を一番大事に思ってくれている男友達だったとしても。否、そういう遠くなった人、今一番近くにいる人だからこそ。

 「琴浦さん」とは、詰まるところ、この結論に琴浦春香嬢@CV金元寿子女史が至るまでの物語だったのですね。超能力ラブコメではない。まして学園探偵モノでもない。ただ一人の少女の成長ストーリーだ。

 森谷ヒヨリ嬢@CV久保ユリカ女史との衝突や和解も、御舟百合子嬢@CV花澤香菜女史や室戸大智君@CV下野紘氏といった「たくさんの誠意と少しの偽悪趣味を併せ持つ」ESP研の面々との交流も、琴浦久美子ママン@井上喜久子女史との和解、そして、真鍋義久君@CV福島潤氏との「両想い」を「双方の言葉」で伝えあって、普通の恋人関係の構築を、春香嬢が「普通の一人の少女として」成し遂げるための通過点だった。

 その意味で、第11話までの「連続通り魔」編を原作よりもアッサリすまし、おそらくは原作の残りのエピソード要素も取っ払って、この第12話を作り上げたのは、「ココロを伝えるのは言葉。言葉を伝えるのは自分自身の意志であることの重要さ」というテーマに純化した作品にしようという、アニメスタッフの考えがあったからに違いないと確信します。

 その意味で、Aパートにおける御舟部長との本心の明かし合い、Bパートでの百合子ママンとの本音のぶつけ合い、真鍋君との真心の触れ合い、そして、ラストの、第1話Aパートを下敷きにした春香嬢の登校シーンと笑顔をもって、アニメ版の「琴浦さん」は完成された。先週は第2期を期待すると言いましたが、アニメ版「琴浦さん」は今回を以って完とするのが一番いい。少なくとも、彼女たちと彼らにとっては一番いい。真鍋君の妄想エロスが見れなくなるのは、少し悲しいけど(笑)。

 中盤、少し中だるんだかな?と思ったこともありましたが、第1話に続いて最終話も神回でした。終わりよければ全て良し。本作スタッフの皆さん、金元女史をはじめとする声優陣の皆さん、2013年最初のクールに、良い作品をありがとうございました。

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